[問合せ]文化芸術振興課総合的芸術祭・すみゆめ担当 電話:03-5608-2822
正式名称は「隅田川 森羅万象 墨に夢」。アートを通じて街の魅力を見いだし、身近な場所での新しい出会いを紡ぐアートプロジェクトです。9月から12月までのメイン期間中は、街なかや隅田川を舞台にした「プロジェクト企画」と「主催企画」が開催されます。メイン期間以外でも、参加団体が集う場を設け、すみゆめの趣旨に賛同する企画と広報連携によるネットワークを広げるなど、1年を通して活動しています。
- 公募で選ばれた団体が行う
「プロジェクト企画」 - 実行委員会自ら企画し実施する
「主催企画」 - すみゆめと広報連携を行う
「ネットワーク企画」
すみゆめのキーワードである隅田川や葛飾北斎にちなんだ場所のほか、企画に合わせて銭湯や福祉施設、区施設で開催。さらに、公園や寺社、商店街等の誰でも入れる公共空間や、空き工場や旧校舎等でも行い、その場所の歴史や魅力を引き出し、にぎわいをもたらしています。
「共に在るところから」(藝と、ファンタジア!ファンタジア!事務局/2022年)「地域福祉とアートのつながりを考える展覧会」と題し、区内で100年にわたり保育事業を続ける興望館で開催。施設に保管された歴史資料と、そこから着想を得た作品を展示した。
アーティストと一緒に体を使って自分なりの表現を探るワークショップ型の企画や、子どもたちがプロのクリエーターとアイデアを出し合って舞台を創り上げ、その舞台に「出演者」として参加する企画もあります。公共空間で人々の交流を促すようなプロジェクトもあり、普段できないことを体験できます。
「すみだみらいアーティストプロジェクト“Hawk's eye 北斎の見た世界”」(SPUTNIK/2024年)子ども対象の舞台創作プロジェクト。ダンス・歌・演技等、様々な要素を盛り込んだ舞台作品をプロ指導の下、子どもたちのアイデアとともに創作する。
昔から物語の舞台となり、催事等で人々が集う隅田川。江戸文化を育み、都市の流通を支えてきたこの川にまつわる文芸や芸能、歴史をヒントに、美術・舞台作品等が企画され、川や船、テラスなど屋内外の様々な場所で企画が行われています。
「すみだ川ディスコwithミラーボールカー」(すみゆめ実行委員会ほか/2018年)車をミラーボールに見立てた“ミラーボールカー”が光を放ち、隅田川をディスコに変えた。
「隅田川を眺めるプロジェクト」(BUGHAUS/2020年)過去の治水対策の名残で一部が残る「カミソリ堤防」をバーカウンターに見立て、バーテンダーが飲み物を提供した。
すみだに生まれ、93回も引っ越しながら90年に及ぶ人生のほとんどを区内で過ごした葛飾 北斎。森羅万象あらゆるものを筆で捉え描き続けた北斎を敬い、その作品や生き方を手掛かりに、アーティストによる多彩な表現活動が披露されています。
「北斎祭りプラス」(すみゆめ実行委員会ほか/2019年)しりあがり寿氏監修の「ちゃんこねぷた」を弘前の組ねぷた団体が制作し、北斎祭りに参加した。
「HOKUSAIラプソディア」(劇団M.M.C/2019年)北斎が生きた江戸末期の隅田川周辺の庶民の暮らしぶりや文化を音楽とダンスに乗せて届けるミュージカル作品。
現在のすみだを形成してきた、“すみだならでは”のユニークなモノ・コト(職人・暮らし・歴史・町並み等)にスポットを当て、改めて見直し、その魅力を引き出すような企画が続々登場しています。また、隠れた地域資源等をテーマにした企画も生まれています。
「寺島浴場の怪人」(シアターキューブリック/2017年)銭湯を劇場としてそのまま演劇公演を開催。公演後は舞台となった街を歩き、感じて、物語の世界をより楽しめる。
「どんどこ!巨大紙相撲」(すみゆめ実行委員会/2019年から)身長180センチメートルの個性豊かなダンボール製巨大力士を「巡業」で創作し、最強力士を「本場所」で決する。
参加団体同士の交流や情報交換、学び合いの場として、「寄合」を月1回開催しています。「寄合」が育んだ参加者同士のつながりによって、互いの企画での協働が生まれ、異なる分野のアーティストによる企画が発表されることもあります。
興望館で開催した「寄合」の様子。各企画の進捗状況を共有し、運営上の課題などを話し合う。発表会場として使えそうな場所の下見を兼ねることもある。
「江戸に
すみだの地域特性をヒントに、参加団体による多彩な解釈がダンスや演劇作品等に落とし込まれ、すみだならではのアート企画が誕生しました。中には、地域課題に向き合うことを出発点にした企画も。また、各企画の実現に向けて事務局が「伴走支援」を行い、照明や音響等の技術的な相談から、公共空間の使用申請まで幅広くサポートします。10年間の経験の蓄積や関係構築が、多くの企画に
「両国橋アートセンター・ストリートピアノすみだ川」(もんてん/2017年から2024年まで)隅田川テラスにピアノを設置し、誰でも自由に演奏や鑑賞できる場を作り、来訪者同士の交流を生み出した。常駐する「演奏サポーター」が伴奏したり、打楽器でリズムを加えたりする。時には大道芸とのコラボも。
「Agoraphobia」(Token Art Center/2021年)7組のアーティストが会場を回遊しながらパフォーマンスし、周囲の風景や参加者の行動と混ざり合うことで生まれる「分からないもの」との遭遇を体験する企画。隅田公園そよ風ひろばや隅田川を使用したため、複数の管理者との交渉や申請手続を事務局がサポートした。
企画実現に向け、事務局の手厚いサポートが受けられることなどが認知され、プロアーティストからの応募が増加しています。また、舞踏公演「そぞろ」は、国内の大手英字新聞に大きく取り上げられ、台湾に招かれて公演を行いました。さらに、映画「煙突清掃人」は、文化庁の育成事業への選定や、映画祭での受賞を果たしています。すみゆめ発の作品が地域の枠を超えて国内外で紹介され、注目を集めています。
舞踏公演「そぞろ」(AGAXART/2024年)「北斎漫画」とすみだの文化を融合させた斬新な舞踏作品。すみだの工場・銭湯・長屋等から刺激を受けて振り付けと音楽を創作。過去と未来、北斎の魂が交差し、すみだの隠された魅力と迫力を体感できる。
映画「煙突清掃人」(ハイドロブラスト/2024年)江戸時代から続いてきた銭湯文化に関わる職人たちの技術を伝承すべく、国内でも減っている「煙突清掃人」を取材。その手仕事を軸に銭湯文化の日常を描くドキュメンタリー映画を製作・上映した。
数ある企画の中で、特に大きな反響があった企画をご紹介します。
飛行機の窓から東京湾を見下ろしたときに、海を進む船と航跡がファスナーで海(地球)を開いているように見えたことから生まれた。古くから都市の境界線という役割を担ってきた隅田川を「ファスナーの船」が航行し、水面を開きながら対岸をつないでいく。YouTubeで公開した動画は15万回以上再生され、昨年にはブラジルの邦人向け番組でも紹介された。
向島界隈を舞台に繰り広げられた没入型のツアーパフォーマンス。参加者は、音を聞くことで失踪した人もいるという「謎の音」を解明する調査員として、スマートフォンを頼りに音声ガイドやパフォ-マーに導かれながら街全体を劇場として回遊する。「日常との境目の曖昧さを体験できる」と参加者から好評を博した。
卓球台を区内の屋外公共空間に置くことで、人々が集まる場所を作るアートプロジェクト。昨年はキラキラ橘商店街の空き地に設置し、端材を使った卓球ラケット制作ワークショップ等も開催。ベルリン(ドイツ)を中心としたヨーロッパの公園では、屋外に設置した卓球台が新たな出会いを生み、交流、学びを促す社会的な機能を果たす。
[とき]12月21日(日曜日)まで
プロジェクト企画を11件と、主催企画を2件開催します。同時期には区内で多くの「ネットワーク企画」も開催されます。事前申込みが必要な公演やワークショップ等もあるので、詳細はこちら「すみゆめ通信」(「北斎を知る」内)か、イベント公式HPをご覧ください。
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