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令和4年度定例会2月議会における区長施政方針

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更新日:2023年2月21日

 令和4年度定例会2月議会の初日である2月2日、山本区長が令和5年度の区政運営に対する基本的な考え方を示した施政方針説明を行いました。

はじめに

 令和4年度定例会2月議会の開会に当たり、令和5年度の施政の方針を申し述べます。
 今定例議会は、私の2期目最後の定例議会となります。
 この間、議会の皆さんから、温かいご支援とご協力をいただき、1期目の経験を踏まえ、様々な施策を着実に推進することができました。改めて心から感謝を申し上げます。
 今期は、まさに新型コロナウイルス感染症という未曽有の危機に直面する区政運営でした。このような事態に対し、区民生活を守る施策の強化を図るため、令和2年9月に「新型コロナウイルス感染症政策パッケージ」を策定し、全庁一丸となって、感染症対策に取組んできました。
 次に、「“夢”実現プロジェクト」の取組について振り返りますと、まず、「暮らし続けたいまち」の実現では、この3年間で、子育てひろばの整備や保育所待機児童数を7人にまで減少させるなど、子育て環境の徹底整備を進めてきました。
 また、先月6日には、本区の人口が28万人を超えました。これは、この間の暮らしやすいまちづくりや安全・安心に対する取組等が評価されたものと考えます。
 さらに、千葉大学と情報経営イノベーション専門職大学が開学し、本区積年の悲願であった大学誘致が実現しました。
 また、健康づくりの拠点となる新保健施設等複合施設の建設着工や、将来のすみだのひとづくりにつながる学力向上の取組など、着実に進めてきました。
 「働き続けたいまち」の実現では、新たな産業の集積を形成するため、「ハードウェアスタートアップ拠点構想事業」を推進するとともに、共創による「ものづくりのまち」としてのブランド力向上を図ってきました。
 「訪れたいまち」の実現では、隅田公園の再整備を進め、官民連携による水辺空間を生かした回遊性の向上とまちの活性化など、観光まちづくりの一層の推進に取組んできました。
 さらに、「人 つながる 墨田区」をブランドメッセージとして、区民・事業者・区が共有して、シティプロモーションを展開することにより、地域力の向上に寄与するなど、着実に成果を上げていると考えています。

景気と国・東京都の動向

 次に、景気の動向と、国や都の予算についてです。
 政府は、令和5年度の経済見通しにおいて、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を迅速かつ着実に実施すること等により、物価高を克服しつつ、計画的で大胆な投資を官民連携で推進するなど新しい資本主義の旗印の下、民需主導で持続可能な成長経路に乗せるための施策を推進していくこととしています。こうした取組を通じ、実質GDP成長率は1.5%程度、名目GDP成長率は2.1%程度の成長、また、消費者物価については、各種政策の効果等もあり、1.7%程度の上昇になると見込んでいます。
 こうした中、国の予算は、「歴史の転換期を前に、わが国が直面する内外の重要課題に対して道筋をつけ、未来を切り拓くための予算」として、一般会計の総額が114兆3,812億円と、5年連続で100兆円を超える予算案となっています。
 また、都の予算は、「明るい『未来の東京』の実現に向け、将来にわたって『成長』と『成熟』が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算」と位置付けられて編成され、一般会計予算規模は、前年度比3.1%増の8 兆410億円で、過去最大となっています。
 中小・零細企業が多く集積する本区においては、引き続き、国や都の動向を注視し、様々な事業者の実態に即した効果的な支援や、区民生活の向上に資する施策を適時適切に実施していきます。

令和5年度 区政運営の基本的な考え方

 次に、令和5年度の区政運営の基本的な考え方についてです。
 感染症対策をはじめとした区民の安全・安心の確保に努めるとともに、社会経済活動の回復を確かなものとし、コロナ禍で生じた様々な変化・変革を踏まえつつ、これまでに得た教訓や知見を最大限に生かし、未来を切り拓く取組をさらに加速していく必要があります。
 そこで、令和5年度は、すみだらしい共に支え合うまちづくりを進めながら、

 第一には、あらゆる施策の多様性と社会的包摂を一層高め、“夢”実現プロジェクトに掲げた取組を着実に実施することで、持続可能な“すみだ”を実現するとともに、「すみだ型共生社会」に向けた取組。

 第二には、暮らし、働き、訪れる人々の安全・安心を守りながら、すみだの資源と特性を活かしたまちの活力・魅力の向上につながる取組。

 第三には、あらゆる分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に推進し、新しい価値の創出を図るとともに、区民目線で行政サービスのデジタル化の取組、の3つの柱に沿って、区政運営を進めます。

 これらを踏まえ、予算編成にあたっては、
 一点目は、基本計画に掲げる各施策の進捗状況や課題を的確に捉え、計画事業に着実に取組むとともに、主要な公共施設等整備事業を推進する。

 二点目は、一層進展する少子高齢化への対応や、これまでの自然災害を教訓とした災害対策など、誰もが住みなれた地域で安心して、いきいきと暮らし続けられるまちづくりを推進するための施策展開を図る。

 三点目は、DXの推進による、利便性の高い区民サービスの提供と効率的な区政運営を実現するとともに、業務の選択と集中による、行財政改革を推進する。

 以上の3点を念頭に、取りまとめを行いました。

区財政を取り巻く状況

 次に、本区の財政を取り巻く状況についてです。
 本区の財政状況は、ここ数年、特別区民税や特別区交付金の増収傾向が続いたことにより、基金の着実な積み増しなど、財政基盤の強化に取組んできました。令和5年度についても、納税義務者数の増や市町村民税法人分の伸び等により、引き続き、特別区民税や特別区交付金は堅調に推移するものと見込んでいます。
 しかしながら、海外景気の下振れリスク、物価上昇や供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響が懸念されることから、年度途中での減収のリスクも念頭に置く必要があります。また、今後の行政需要の増加も見込まれるため、さらなる行財政改革を進めることで、喫緊の課題に対し優先的に財源を投入しながら、一層の財政基盤強化に取組みます。

令和5年度予算案の位置付け・規模

 以上の基本的な考え方のもとで、令和5年度予算案は、「誰もが主役 挑戦・活躍・輝けるまち ~未来の“すみだ”に投資する予算~」と位置付けて編成しました。
 各会計の予算規模は、一般会計が1,268億7,200万円で、前年度と比べて41億7,400万円、3.4%の増、国民健康保険特別会計が282億3,400万円で5.3%の増、介護保険特別会計が226億7,300万円で1.9%の増、後期高齢者医療特別会計が67億6,500万円で6.2%の増となり、特別会計を含む区の予算総額は、1,845億4,400万円で、対前年度比64億1,100万円、3.6%の増で、過去最大の予算規模となっています。
 次に、一般会計の歳入歳出予算の主な増減についてご説明します。
 まず、歳入ですが、特別区税全体では、対前年度比14億8,000万円、5.6%増の280億3,400万円を計上しており、そのうち特別区民税は、納税義務者数の増等を見込み、対前年度比13億5,900万円、5.6%増の258億400万円を計上しました。
 また、特別区交付金は、前年度より3,000万円増の425億6,000万円を計上しています。
 基金からの繰入金は、約840万円増の約25億5,200万円を、特別区債については、2億3,500万円増の約14億6,300万円を、それぞれ計上しています。

 次に、歳出についてです。
 民生費は、私立保育所委託費や八広児童館の移転整備事業などの経費の増等により、0.8%増の約694億5,100万円となり、一般会計予算額の約55%を占めています。
 教育費は、曳舟小学校のプール棟再整備や、すみだ郷土文化資料館の大規模修繕工事の終了などにより、7.9%減の約106億円となっています。
 土木費は、東武伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)立体化事業や、橋梁の架替え事業などの経費の増等により、29.5%増の約134億8,400万円、これら民生費・教育費・土木費の3分野で、一般会計予算額の約74%を占めています。
 また、衛生費は、新保健施設等複合施設の整備事業費などを計上し、14.3%増の約63億1,700万円となっています。

令和5年度の主要な事業

 次に、予算を重点的に配分した主要な事業について、述べさせていただきます。

 1点目は、社会経済活動の回復に向けた取組です。
 感染症や物価高騰等の影響により、区民や事業者を取り巻く厳しい状況は続くと想定されます。そこで、生活者支援、事業者支援等の側面から、更なる実態把握に努め、社会経済活動の回復を確かなものとするための取組を進めます。
今年度に引き続き、学校給食費における物価高騰対策や生産性向上のための機器導入補助事業を行うほか、保健衛生の維持向上に資するため、公衆浴場衛生設備等の支援の拡充を図ります。

 2点目は、新型コロナウイルス感染症に対する取組です。
 感染拡大防止を図る観点から、引き続き、医療機関や関係機関と連携して、区民の命と健康を守る施策に取組んでいきます。

 3点目は、「SDGs未来都市」としての取組です。
 SDGsの目標達成に向け、普及啓発を行うとともに、積極的に取組む区内事業者や団体が交流できる場を創出するなど、区民や事業者と連携し、取組の輪を広げていきます。また、産業や健康、環境といった社会課題の解決に取組むスタートアップ企業を区内に誘致し、実証実験を進めていきます。
 加えて、「すみだゼロカーボンシティ2050宣言」を踏まえ、区民や事業者に向けて、地球温暖化防止設備導入支援の拡充や資源循環・地域連携促進補助事業の創設、環境教育を推進するなど、脱炭素社会の実現への取組を進めます。また、廃プラスチックの分別収集・再資源化のモデル実施を行うほか、食品ロス削減など、社会的課題の解決に向け着実な取組を推進していきます。

 4点目は、DXに対する取組です。
 デジタル社会を見据え、全ての出張所へのキャッシュレス決済の導入や証明書郵送請求業務のキャッシュレス化、新たにニーズ対応型の「おくやみコーナー」を設置します。また、高齢者ICT講習会等の拡充や図書館への電子書籍を導入します。加えて、住民税の口座振替受付事務へのAI-OCRの導入や預貯金照会電子化システムの活用のほか、学童クラブ利用申込のオンライン化に伴うRPAの導入や母子保健情報の電子化など、区民サービスの向上や業務の効率化・省力化を進めます。
 さらには、LINE・区公式アカウントの導入による情報発信の強化を行うとともに、新しい働き方の実現に向けた環境整備として庁舎におけるフリーアドレスの試行実施を行います。

 次に、“夢”実現プロジェクト1の『暮らし続けたいまち』の実現です。
 「切れ目ない子育て支援・環境を充実させ、笑顔があふれるまちづくり」のうち、1点目は、「子ども・子育て支援が徹底整備されたまちづくり」です。
 妊娠期から子育て期にわたる切れ目ない支援を「墨田区版ネウボラ」と位置付け、バースデーサポート事業を含む出産・子育て応援事業を実施するとともに、産後ケアや出産準備クラス、多胎妊婦支援を拡充します。また、新たに伴走型相談支援を含む出産・子育て支援の実施やリプロダクティブヘルスの推進を図ります。加えて、都の「とうきょうママパパ応援事業」を活用し、妊娠期及び3歳未満の多胎児家庭を含む子どもを養育する家庭に家事・育児支援サービスを提供するなど、在宅子育て支援の充実を図ります。喫緊の課題となっている学童クラブについては、引き続き、増設を進め、待機児童ゼロを目指します。
 また、医療的ケア児に対し、保育サービスの提供や学童クラブにおける受入態勢を確保するとともに、旧すみだ健康ハウスへの八広児童館移転整備を進めます。さらには、年々増加する児童虐待の通告・相談に適切に対応するため、都児童相談所との連携をさらに深め、児童相談体制のさらなる強化を図ります。そのほか、私立幼稚園における送迎バス等安全対策支援事業を行います。

 2点目は、「知・徳・体の充実を図る教育による将来のすみだを担うひとづくり」です。
 子どもたち一人ひとりに個別最適化された創造性を育む教育の実現を図るため、GIGAスクール構想の更なる推進や、児童・生徒のSDGsの目標達成への意識を醸成するなど、時代の変化に対応した教育を進めていきます。加えて、学力向上「新すみだプラン」を着実に推進し、児童・生徒が意欲をもって学び、協働的に課題解決できる確かな学力を育んでいきます。
 児童・生徒の不登校については、未然防止も含め、個々の状況に応じた支援を推進するため、校内スモールステップルームの全校設置を行うとともに、スクールソーシャルワーカーを増員します。さらに、区立学校における医療的ケア児に対する支援を行います。
 また、地域資源を活用した部活動の地域移行に向けたモデル実施を行うとともに、小学校低学年の授業の質の向上や学校の組織体制の充実等を図るため、エデュケーションアシスタントを配置します。
 学校施設については、小中学校の長寿命化計画を踏まえ、二葉小学校の屋内運動場の改築等を進めます。

 3点目は、「緑豊かな公園など、子育てや交流しやすい住環境づくり」です。
 若年夫婦世帯を含む子育て世帯等の定住促進を進めるほか、子どもを安心して遊ばせることができる公園・児童遊園の整備など、子育てしやすい環境づくりに取組みます。

 次に、「地域力日本一の、住んでいてよかったまちづくり」のうち、1点目の「災害に強い安全・安心なまちづくり」です。
 関東大震災から100年の節目を捉え、多様な主体の連携による地域の災害対応力を高めるとともに、「首都直下地震等による東京の被害想定」やそれに伴う都の計画見直し等を踏まえ、地域防災計画を改定します。加えて、大規模災害への備えや、さらなる防災意識の向上を図るため、防災フェアの開催や地震等の防災情報を区民にわかりやすく伝えるため、新たにガイドブックを作成します。
 また、災害時における高齢者・障害者等要配慮者の安全・安心確保のため、個別避難支援プラン等を作成していきます。
 さらには、鐘ヶ淵・京島・北部中央地区の住宅市街地総合整備事業や、木密地域不燃化プロジェクトなどにより、不燃化や耐震化を促進していきます。また、東武伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)立体化事業や北側周辺まちづくりをはじめ、鐘ヶ淵駅周辺地区、隅田川沿川地区、曳舟駅周辺地区まちづくりを推進していきます。加えて、橋梁の架替え・長寿命化や見番通りの無電柱化を進め、まちの安全性を高めていきます。

 2点目は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」です。
 包括的支援体制の整備事業を推進することで、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズへの対応や、重層的なセーフティネットの強化など、「すみだ型共生社会」に向けた取組を進めるとともに、新たに、「ひきこもり支援推進事業」を実施します。
 さらに、旧立花中学校跡地を活用した特別養護老人ホームや地域密着型サービス、都市型軽費老人ホームの整備支援を行います。新たに医療・福祉の両面から3障害をサポートする障害者基幹相談支援センターを設置するほか、引き続き、認知症施策や、高齢者の地域包括ケアシステムを推進します。
 また、高齢者一人ひとりの課題に対応した、保健及び介護予防事業の一体的な実施や、総合的ながん対策を推進することで、健康寿命延伸による医療費等の削減を図ります。加えて、引き続き受動喫煙防止対策を進めます。
 さらには、ビッグデータの利活用による区民の健康度評価研究など、データヘルスを推進します。
 新たに、がん患者へのアピアランスケアの支援を行うほか、帯状疱疹ワクチンの任意接種の支援も行います。
 そのほか、住まいの長寿命化を促進し、適正な居住の確保を図るほか、「すみだすまい安心ネットワーク事業」を充実させ、特に配慮が必要な方々の居住の確保に努めます。
 また、持続可能な公共交通に関する考え方や方向性を示す地域公共交通計画の策定に着手するなど、住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりを進めます。

 3点目は、「地域力を高めるコミュニティとひとづくり」です。
 町会・自治会活動への支援と活性化を図る観点から、町会・自治会加入促進支援の講座等を行うなど、協治(ガバナンス)のまちづくりを推進します。
 また、安全で安心なまちづくりのため、空き家等対策を進めるほか、さらなる人権啓発に取組むため、その拠点となる社会福祉会館の機能の充実を図ります。
 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとして、障害者スポーツの普及啓発を図っていくとともに、スポーツボランティアの活用など、共生社会の実現に向けた取組を継承していきます。

 4点目は、大学のあるまちづくりの推進です。
 千葉大学・情報経営イノベーション専門職大学とは、これまでも連携しながら、区政課題の解決など、様々な取組を行っています。引き続き、「教育」「健康」「環境」などの様々な分野で事業を展開していきます。
 また、「UDCすみだ」の活動への支援では、公民学連携で策定する「大学のあるまちづくり未来ビジョン」に基づき、地域課題の解決に向けた社会実験や、情報発信等を進めていきます。
 さらに、キャンパスコモンに続き整備を行うあずま百樹園では、千葉大学の学生が提案した公園トイレのアイデアを設計に反映するなど、特色ある公園整備を行います。

 次に、プロジェクト2の『働き続けたいまち』の実現です。

 1点目は、「多様な産業の集積から、つながりが生まれるまちづくり」です。
 「ハードウェアスタートアップ拠点構想」では、錦糸町エリアに支援拠点を整備することにより、既存事業者を含む多くの事業者が集い、新たな価値が創造され「ものづくりのまち すみだ」の将来の持続的な発展に向けた事業展開を図ります。また、引き続き、すみだビジネスサポートセンターによる事業者支援に取組んでいきます。
 商業活性化への取組として、地域力を育む商業空間づくりや商店街チャレンジ戦略支援を推進します。また、区内商業の消費喚起を図るため、キャッシュレス決済促進・ポイント還元事業や、これと連携してバルウォークイベントを実施します。

 2点目は、「ワーク・ライフ・バランスを実現し、性別に関わらず誰もが輝き、活躍できるまちづくり」です。
 女性活躍・働き方改革アドバイザーの派遣をはじめ、男女共同参画のさらなる推進や、ワーク・ライフ・バランスの普及啓発に引き続き努めます。
 新たに、パートナーシップ宣誓制度を導入し、性的指向・性自認に関する相談体制やその拠点となるすみだ女性センターの機能の拡充など、多様な性の尊重に向けた施策を推進します。

 3点目は、「夢をかなえたい若者や、年齢や障害の有無に関わらず誰もが活躍できるまちづくり」です。
 就職相談事業の充実やハローワークとの連携を図り、働きたい人の就労支援・区内事業者の雇用促進に向けた取組を進めていきます。また、区内中小企業が必要な人材を確保し、定着につながるよう、企業と就職希望者への支援を行います。
 さらに、シルバー人材センターの運営支援や障害者就労支援総合センターなどを通して、高齢者・障害者への支援を行うとともに、雇用施策との連携による重度障害者等の就労支援を新たに実施します。

 次に、プロジェクト3の『訪れたいまち』の実現です。

 1点目は、「誰もが安心してまち歩きを楽しめる国際的なまちづくり」です。
 北十間川・隅田公園観光回遊路において、観光協会、民間事業者と連携して、公共空間を活用した日常的な賑わい創出に取組んでいきます。さらに、隅田公園の第2期再整備を進めるとともに、水辺空間を生かした、回遊性の向上とまちの活性化を推進します。また、「隅田川 森羅万象 墨に夢」プロジェクトにより、引き続き、文化芸術による本区の魅力発信に努めます。

 2点目は、「ビジネスなどの活動で関わる人を増やす関係人口づくり」です。
 「地域ブランド戦略」を軸に、産業の魅力を広く内外に発信するとともに、区内事業者が有する優れたものづくりを支援することで、本区に関わり続けたいと考える関係人口の創出に努めていきます。
 加えて、官民連携による両国駅周辺地区まちづくりを着実に推進するとともに、地下鉄有楽町線の延伸等を見据えた錦糸町駅周辺地区まちづくりの検討を進めていきます。

 3点目は、「ものづくり・歴史・文化を活かした誘客の仕組みづくり」です。
 観光地域づくり法人(DMO)への支援として、東武スカイツリーライン高架下施設に、「まち処」の機能を継承する新たな観光支援機能を設けるとともに、向島花街の文化継承事業への支援も引き続き行います。
 さらには、江戸から続く地域の歴史文化を学ぶ機会を創出し、まち歩き観光につなげる取組として、勝海舟生誕200周年、池波正太郎生誕100周年を記念する事業を開催します。また、感染症の影響により開催が見送られてきた「国技館5000人の第九コンサート」について、第九が誕生して200年の節目となりますので、これを契機に、復活を目指します。
 トリフォニーホールを核とする音楽事業では、多世代の方が文化芸術に触れることのできる環境づくりを進めるとともに、北斎プロモーションの展開では、来館者100万人の達成を見据え、国内外に向け、引き続き「北斎のまちすみだ」をPRします。

 次に、これら3つのプロジェクトを効果的に展開するため、シティプロモーション戦略を推進し、区民の地域に対する愛着と誇り・シビックプライドをより高め、各主体による「まちの魅力の伝え合いの好循環」が創出できるよう取組んでいきます。
 さらに、区民と区の信頼関係が一層高まるよう、職員の広報マインドの向上を図ることで、“すみだの夢”実現プロジェクトを推進します。

行財政改革の推進

 次に、行財政改革についてです。
 基本計画で掲げた施策を効果的・効率的に実現していくためには、「行財政改革・行政情報化計画」による持続可能な行政基盤の確立と簡素で効率的なシステムの構築や、「第3次公共施設マネジメント実行計画」による公共施設の適正配置や再編とライフ・サイクル・コストの一層の低減など、これまで以上に不断の取組が必要となります。
 その中で、DXやSDGsの視点も踏まえ、行政として担うべき業務の「選択と集中」をより一層進め、事務事業の見直しや改善の取組を進めるとともに、業務の民間委託を導入するなど、民間活力の活用を進めていきます。
 公共施設マネジメント等の推進では、施設保有総量の圧縮に努めるとともに、長期修繕計画に基づく施設の長寿命化に取組むほか、未利用公有地の活用方針に基づき計画的に進めていきます。
 歳入の確保では、区民税・国民健康保険料等の徴収率向上の取組や、公有財産の活用など、引き続き自主財源の確保に努めていきます。
 このほか、ゼロ予算での事業や、DXの推進による窓口業務の改善など、区民の利便性向上のための取組を進めます。

結びに

 結びになりますが、政府は、先月27日に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、5月8日から「5類」に移行する方針を決定しました。医療費や医療提供体制をはじめ「5類」移行後の基本的な考え方や感染防止対策については、今後、具体的な方針が示されますが、区として引き続き注視する必要があると考えます。
 さらに、原材料やエネルギー価格等の上昇を起因とする物価高騰等により、区民生活や事業者を取り巻く厳しい状況が続いていますが、こうした実態を捉え、引き続き、区民や事業者に寄り添ったきめ細やかな様々な取組を進めていきます。
 私は、“すみだ”は、地域力でこうした難局を乗り越え、誰もが、夢や希望をもち、更なる飛躍の可能性を持ったまちであると考えています。
 令和5年度は、10年後・20年後のまちの姿・将来像を見据え、“すみだらしさ”を次世代に継承するまちづくり、未来を見据えた種蒔きや、成長の促進につながる取組を進めていきます。そのため、区のあるべき姿やまちづくりの将来像として、区政運営の羅針盤である基本構想と基本計画の策定に着手します。
 これからも人と人、地域と人のつながりの輪をさらに広げ、区議会や区民、事業者の皆様と共に、誰もが主役、挑戦・活躍・輝けるまち“すみだ”の未来につなげていきたいと考えています。
 以上、私の令和5年度施政方針の考え方を述べさせていただきました。区議会の皆様におかれましては、今回提案しております各議案について、それぞれ適切なるご決定を賜りますよう、併せてお願い申し上げます。

 ご清聴、ありがとうございました。

(注)本文は、口述筆記ではありません。表現等について、若干の変更のある部分があり得ますので、御了承願います。

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