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令和5年度定例会2月議会における区長施政方針

ページID:200566769

更新日:2024年2月5日

 令和5年度定例会2月議会の初日である2月5日、山本区長が令和6年度の区政運営に対する基本的な考え方を示した施政方針説明を行いました。

はじめに

 はじめに、元日に石川県能登半島で発生した大規模な地震災害では、多くの方が被災され、今もなお厳しい状況に置かれています。改めて亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災されたすべての皆様に心からお見舞いを申し上げます。本区においても、職員を派遣し、救援物資を届けたところですが、今後も被災地に寄り添った支援に努めていきます。
 また、想定される首都直下地震等に備え、ハードとソフトの両面から防災・減災対策を強化していきます。
 それでは、令和5年度定例会2月議会の開会に当たり、令和6年度の施政の方針を申し述べます。
 昨年は、4月に区議会議員選挙及び区長選挙が行われ、私は、区民の皆さんの信託を受け、三期目の区政運営の重責を担わせていただくこととなりました。区議会も新たな構成のもと、第20期がスタートしました。新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類に移行され、まちの賑わいが戻りつつある中で、長引く物価高騰への対応等も含め、区議会をはじめ、多くの皆さんのご理解とご協力をいただきながら、着実に区政を前に進めることができました。
 改めて皆様に感謝を申し上げ、引き続き真摯に区政運営に取組んでいきます。

景気と国・東京都の動向

 次に、景気の動向と、国や都の予算についてです。
 政府は、令和6年度の経済見通しにおいて、国の総合経済対策の進捗に伴い、官民連携した賃上げをはじめとする所得環境の改善や企業の設備投資意欲の後押し等が相まって、民間需要主導の経済成長が実現することが期待されるとして、実質GDP成長率は1.3%程度、名目GDP成長率は3.0%程度、また、消費者物価については、2.5%程度の上昇になると見込んでいます。
 このような状況において、国の予算は、「歴史的な転換点の中、時代の変化に応じた先送りできない課題に挑戦し、変化の流れを掴み取る予算」として、一般会計の総額が112兆5,717億円と、2年連続で110兆円を超える予算案となっています。
 また、都の予算は、「変化する社会情勢の中、東京・日本の輝かしい未来を切り拓くため、産業や経済、社会の構造転換に挑み、一人ひとりが輝く明るい『未来の東京』を実現する予算」として編成され、一般会計予算規模は、前年度比5.1%増の8兆4,530億円で、過去最大となっています。
 中小・零細企業が多く集積する本区においては、引き続き、国や都の動向を注視し、様々な事業者の実態に即した効果的な支援や、区民生活の向上に資する施策を適時適切に実施していきます。

令和6年度 区政運営の基本的な考え方

 次に、令和6年度の区政運営の基本的な考え方についてです。
 来年度は、保健所、子育て、教育の機能を併せ持つ、新保健施設等複合施設「すみだ保健子育て総合センター」を開設します。組織の枠を超えた切れ目ない子育て支援や健康危機管理体制の強化など、区民サービスの更なる充実を図ります。
 また、社会経済活動が着実に正常化への歩みを進める中、誰一人取り残さない「すみだ型共生社会」の実現に向け、時機を捉えた各施策の強化・加速化を図り、次世代につながるまちの礎を築いていく必要があります。
 そこで、令和6年度は、「誰もが輝くことができる“すみだ”の未来につながる取組」、「“夢”実現プロジェクトの推進による持続可能な“すみだ”の実現」、「経済社会構造の変化を踏まえた、区民・事業者目線に立った行政サービスの改革」という、3つの柱に沿って区政を運営していきます。
 これらを踏まえ、予算編成に当たっては、「基本計画に掲げる各施策の“めざす姿”の実現に向けた、スピード感を持った取組」、「組織・分野を超えた協力、様々な主体との連携による施策展開」、「必要な情報を分かりやすく発信する、『区民に伝わる』戦略的な広報」、「区民のウェルビーイング向上につながるDXの推進」、「今後の行政需要や経済情勢の変化も想定した、エビデンスに基づく政策立案」という5点を念頭に、取りまとめました。

区財政を取り巻く状況

 次に、本区の財政を取り巻く状況についてです。
 ここ数年、特別区民税や特別区交付金の増収傾向が続いたことにより、基金の着実な積み増しなど、財政基盤の強化に取組んできました。令和6年度においても、歳入状況は、引き続き堅調に推移するものと見込んでいます。
 歳出面においては、公共施設の整備による投資的経費の増のほか、様々な行政需要への対応、物価高騰による影響などもあり、昨年度と比較して大幅な増額となりました。
 しかしながら、今後の景気動向は不透明であり、想定される行政需要に対応していくためにも、更なる行財政改革を進めることで、区政の重要課題に対し優先的に財源を投入しながら、一層の財政基盤強化に取組みます。

令和6年度予算案の位置付け・規模

 以上の基本的な考え方のもとで、令和6年度予算案は、「つながりが織り成す『人』が輝くまち 明日の“すみだ”を共創する予算」と位置付けて編成しました。
 各会計の予算規模は、一般会計が1,372億6,500万円で、前年度と比べて103億9,300万円、8.2%の増、国民健康保険特別会計が281億1,600万円で0.4%の減、
 介護保険特別会計が233億5,800万円で3.0%の増、後期高齢者医療特別会計が69億7,200万円で3.1%の増となり、特別会計を含む予算総額は、1,957億1,100万円、対前年度比111億6,700万円、6.1%の増で、過去最大の予算規模となっています。
 次に、一般会計の歳入歳出予算の主な増減についてご説明します。
 まず、歳入ですが、特別区税全体では、対前年度比15億500万円、5.4%増の295億3,900万円を計上しており、そのうち特別区民税は、納税義務者数の増等を見込み、対前年度比11億6,100万円、4.5%増の269億6,500万円を計上しました。
 また、特別区交付金は、前年度より18億6,700万円増の444億2,700万円を、
 基金からの繰入金は、約26億1,300万円増の約51億6,600万円を、特別区債については、16億4,600万円増の約31億900万円を、それぞれ計上しています。
 次に、歳出についてです。
 民生費は、特別養護老人ホーム等整備支援事業費などの経費の増等により、3.3%増の約717億2,200万円となり、一般会計予算額の約55%を占めています。
 教育費は、二葉小学校屋内運動場の改築工事や、学校給食費保護者負担軽減事業などの経費の増等により、29.4%増の約137億2,200万円となっています。
 土木費は、東武伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)立体化事業や、鐘ヶ淵周辺地区防災都市づくり推進事業などの経費の増等により、3.0%増の約138億9,000万円、これらの3分野で、一般会計予算額の約74%を占めています。
 また、衛生費は、すみだ保健子育て総合センターの整備事業費などを計上し、38.3%増の約87億3,700万円となっています。

令和6年度の主要な事業

 次に、予算を重点的に配分した主要な事業について、述べさせていただきます。

「こどもまんなか すみだ」の実現

 1点目は、「こどもまんなか すみだ」の実現に向けた取組です。
 すみだ子ども・子育て応援プログラムに基づいて、子どもや子育て世帯の意見・視点を意識し、笑顔あふれる、子どもの最善の利益を優先するまちを実現していきます。
 子どもの豊かな育ちを応援するため、安全・安心に楽しく過ごせる居場所づくりとして、学童クラブ事業の充実やボール遊びができる公園整備を進めます。また、地域資源を生かした通学型イングリッシュキャンプを実施し、国際理解教育を更に推進していきます。加えて、教育センターを新設し、教育機能の拡充を図るとともに、自閉症・情緒障害等特別支援学級の設置に向けた準備、中学校における校内別室学級による不登校対策の充実などに取組みます。
 子育て家庭の暮らしや健康の応援として、認可外保育施設の保育料負担軽減制度の拡充を図るほか、おたふくかぜや小児インフルエンザに係る任意予防接種費用の助成を行います。また、公立小中学校における学校給食費の保護者負担の軽減を図るとともに、私立小中学校等に通うご家庭についても、引き続き支援していきます。
 子育てしやすい環境の整備では、子どもの意見を踏まえた、こども計画の策定や、(仮称)墨田区子どもの権利を守る条例の制定に取組みます。また、私立幼稚園や、DXを推進する私立保育所への支援の充実を図るとともに、児童発達支援事業所等への支援の拡充、児童館改築・改修に向けたリニューアル計画の策定、子育て世帯が安全に移動できる道路環境の整備などに取組みます。

多様な「つながり」を地域の課題解決に活かす取組

 2点目は、多様な「つながり」を地域の課題解決に活かす取組です。
 「つなぐ・つながる」をコンセプトに、すみだ保健子育て総合センターを拠点として、区民の健康づくりを推進し、生涯健康都市の実現を目指します。
 SDGs未来都市の推進では、特に優れた取組をモデルケースとして選出する「(仮称)すみだSDGsアワード」を実施し、好事例の波及や関係者間の連携強化・促進に取組みます。
 また、昨年開設した「SUMIDA INNOVATION CORE」を中心に、スタートアップ企業と区内ものづくり企業との共創による産業集積のアップデートに取組むほか、区内商業の消費喚起を図るため、商店街連合会と連携し、新たなデジタル決済促進支援事業や、バルウォークイベントを実施します。
 さらには、文化芸術の力を活かし、人のつながりを通じて地域力の向上、地域課題の解決を図ることを目的に、令和8年度の開催に向け、総合的芸術祭の準備に着手します。
 そのほか、薬剤師会等と連携した熱中症対策の取組を引き続き実施するとともに、本区ならではの取組である、雨水利用の促進を図るため、雨水ネットワーク全国大会を誘致します。

未来を見据えたまちづくりの推進

 3点目は、未来を見据えたまちづくりの推進です。
 東武伊勢崎線(とうきょうスカイツリー駅付近)立体化事業では、長年の課題となっていた第2号踏切について、来年度末の除却を目指します。また、鐘ヶ淵駅周辺地区では、鉄道立体化の早期実現に向け、まちづくり計画を改定します。隅田川沿川地区や曳舟駅周辺地区など、各地域におけるまちづくりを引き続き推進するほか、誰もが安全、安心に移動しやすいまちを実現するため、バリアフリー基本構想の策定に着手します。
 災害に強いまちづくりとして、新耐震基準建物に対する助成制度を創設するとともに、すみだ保健子育て総合センターに、災害時の地域内輸送拠点(ターミナル型備蓄倉庫)を整備します。また、各避難所に備蓄品としてソーラーパネル付き蓄電池を配備し、機能の強化を図ります。
 加えて、「すみだゼロカーボンシティ2050宣言」を踏まえ、地球温暖化防止設備導入支援を拡充するほか、廃プラスチックの分別収集・再資源化の本格実施、食品ロス対策の更なる推進に取組むなど、持続可能なまちづくりを進めていきます。

DXに対する取組

 4点目は、DXに対する取組です。
 キャッシュレス決済の導入など、利用者目線に立った公共施設利用システムの再構築を行うとともに、Webによる税金等の口座振替受付サービスを開始します。また、AIを活用した特定健康診査等のデータ分析による受診率の向上など、区民の健康づくりを推進します。
 また、オンライン相談の導入に取組むほか、全庁的に手続きの電子化を進め、区民サービスの向上を図ります。

“夢”実現プロジェクト1『暮らし続けたいまち』の実現

 次に、“夢”実現プロジェクト1の『暮らし続けたいまち』の実現です。
 「切れ目ない子育て支援・環境を充実させ、笑顔があふれるまちづくり」のうち、1点目は、「子ども・子育て支援が徹底整備されたまちづくり」です。
 妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援として、バースデーサポート事業を含む出産・子育て応援事業や、産後ケア事業、伴走型相談支援などに引き続き取組みます。月イチひろば事業の拡充など、在宅子育て支援の充実を図るほか、都児童相談所との連携強化による児童虐待未然防止の推進等、すみだ保健子育て総合センターを拠点に、子どもを安心して産み育てられる環境づくりを進めていきます。
 また、保育施設への指導検査体制を強化・拡充し、保育の質の向上を図るとともに、区立保育園の設備改修や八広児童館の移転・開設など、子育て施設の環境整備に着実に取組みます。さらに、保育施設や学童クラブにおける医療的ケア児の受入態勢の充実を図ります。
 2点目は、「知・徳・体の充実を図る教育による将来のすみだを担うひとづくり」です。
 GIGAスクール構想を着実に推進し、子どもたち一人ひとりに個別最適化された創造性を育む教育の実現を図ります。加えて、学力向上「新すみだプラン」を推進することで、児童・生徒が意欲をもって学び、協働的に課題解決できる確かな学力を育んでいきます。
 また、総合型地域スポーツクラブと連携し、部活動の地域移行に向けたモデル実施の拡充を図るほか、エデュケーション・アシスタントの小学校全校配置、スクールロイヤーの設置など、教職員の働き方改革を推進します。
 学校施設については、小中学校の長寿命化計画を踏まえ、二葉小学校の屋内運動場の改築等に引き続き取組みます。また、八広小学校の改築に着手するとともに、学校改築計画の策定を進めます。
 3点目は、「緑豊かな公園など、子育てや交流しやすい住環境づくり」です。
 若年夫婦世帯を含む子育て世帯等の定住促進を進めるほか、大横川親水公園の再整備等、公園・児童遊園の整備を進めます。また、亀沢二丁目の公有地を暫定的に活用し、子どもを安心して遊ばせることができる広場を整備するなど、子育てしやすい環境づくりに取組みます。
 次に、「地域力日本一の、住んでいてよかったまちづくり」のうち、1点目の「災害に強い安全・安心なまちづくり」です。
 災害時に、全国の自治体等からの応援を円滑に受け入れ、速やかな支援につなげるため、応援要請や受け入れ等のルールなどを示す、(仮称)墨田区災害時受援応援計画を策定します。また、引き続き、高齢者・障害者等要配慮者の個別避難支援プラン等を作成していきます。
 さらには、鐘ヶ淵・京島・北部中央地区の密集市街地の整備や、木密地域不燃化プロジェクト等に基づき、不燃化や耐震化を着実に促進するとともに、橋梁の架替え・長寿命化を進め、まちの安全性を高めていきます。
 2点目は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」です。
 包括的支援体制の整備事業を推進し、地域福祉プラットフォームを増設するなど、重層的なセーフティネットの強化を図るほか、ひとり親家庭への支援として、養育費等支援事業を拡充します。
 さらに、旧立花中学校跡地を活用した特別養護老人ホームや、地域密着型サービスの整備支援を行うほか、みどり高齢者支援総合センターの移転に向けた整備を進めます。加えて、障害者基幹相談支援センターの機能強化や、認知症施策の充実、補聴器購入費助成の拡充など、住み慣れた地域で安心して暮らせる施策の充実を図ります。
 また、がん対策推進計画を改定し、総合的ながん対策を推進するとともに、保健・医療・介護のデータを分析し、関連施策に活用することで、健康寿命の延伸につなげていきます。さらには、精神保健福祉法の改正を踏まえ、入院中の精神障害者の権利擁護、地域移行に取組みます。
 そのほか、「すみだすまい安心ネットワーク事業」を充実させ、特に配慮が必要な方々の居住の支援に努めるとともに、地域公共交通計画を策定し、持続可能な公共交通に関する考え方を取りまとめます。
 3点目は、「地域力を高めるコミュニティとひとづくり」です。
 地域活動の再開を後押しするため、引き続き町会・自治会を支援するとともに、新たな地域力向上プラットフォームの立上げ準備を進めるほか、運動・スポーツに関する情報発信を、関係団体と連携し、強化していきます。
 また、安全で安心なまちづくりに向けて、空き家等対策を進めるほか、すみだ防犯・防火ガイドブックを改定し、防犯意識の向上に努めます。
 4点目は、大学のあるまちづくりの推進です。
 千葉大学・情報経営イノベーション専門職大学と連携し、区政課題の解決に向け、「産業」「教育」「環境」などの様々な分野で事業を展開していきます。
 「UDCすみだ」との連携では、地域活性化に向けた社会実験や、情報発信、全国UDC会議の開催等を支援します。
 また、あずま百樹園の再整備を進め、千葉大学の学生が提案したアイデアを公園トイレの設計に反映するなど、特色ある公園整備を行います。

“夢”実現プロジェクト2『働き続けたいまち』の実現

 次に、プロジェクト2の『働き続けたいまち』の実現です。
 1点目は、「多様な産業の集積から、つながりが生まれるまちづくり」です。
 すみだビジネスサポートセンターによる事業者支援を充実するため、企業台帳管理システムを再構築するほか、ポストコロナにおける事業活動や経営の安定を支援するため、商工業融資のメニューを拡充するとともに、生産性向上のための機器導入補助事業を継続します。
 また、ものづくりプロモーションの充実では、地域ブランド戦略の一環として、台湾デザイン研究院との連携による商品開発に取組むほか、40周年を迎える3M運動の記念イベントを実施し、「ものづくりのまち」としてのブランド力向上を図ります。
 商業活性化への取組では、地域力を育む商業空間づくりや商店街チャレンジ戦略支援を引き続き推進します。
 2点目は、「ワーク・ライフ・バランスを実現し、性別に関わらず誰もが輝き、活躍できるまちづくり」です。
 人権が尊重され、多様性を認め合う地域づくりを進めるため、すみだ共生社会推進センターを拠点とし、男女共同参画や、パートナーシップ宣誓制度をはじめとした様々な施策を推進します。また、墨田区版健康経営支援事業の実施や、女性活躍・働き方改革アドバイザーの派遣など、ワーク・ライフ・バランスの普及啓発に努めます。
 3点目は、「夢をかなえたい若者や、年齢や障害の有無に関わらず誰もが活躍できるまちづくり」です。
 就職相談事業の充実やハローワークとの連携を図り、就労支援・区内事業者の雇用促進に向けた取組を進めていきます。また、区内中小企業が必要な人材を確保し、定着につながるよう、企業と就職希望者への支援を行います。
 さらには、シルバー人材センターや障害者就労支援総合センターなどの取組を通して、高齢者・障害者への支援を行うとともに、新たに障害者の多様な就労を支援するための計画相談支援事業を実施します。

“夢”実現プロジェクト3『訪れたいまち』の実現

 次に、プロジェクト3の『訪れたいまち』の実現です。
 1点目は、「誰もが安心してまち歩きを楽しめる国際的なまちづくり」です。
 観光協会や民間事業者と連携し、北十間川・隅田公園観光回遊路における公共空間を活用した賑わい創出や舟運の活性化に取組みます。民間活力の導入に向け、隅田公園の第2期再整備を進めるとともに、第3期以降の整備についても地区構想の策定を行うほか、江東内部河川の継続的な整備など、水辺空間を生かした回遊性の更なる向上に取組みます。
 また、「隅田川 森羅万象 墨に夢」プロジェクトにより、文化芸術による本区の魅力発信に努めます。
 2点目は、「ビジネスなどの活動で関わる人を増やす関係人口づくり」です。
 「ハードウェア・スタートアップ拠点構想事業」、「地域ブランド戦略」を軸に、区内産業の魅力を広く内外に発信するとともに、事業者が有する優れたものづくりを支援することで、本区に関わり続けたいと考える関係人口の創出に努めるほか、地域と連携してMICE誘致を推進します。
 加えて、官民連携による両国駅周辺地区まちづくりを着実に推進するとともに、地下鉄有楽町線の延伸等を見据えた錦糸町駅周辺地区まちづくりの検討を進めていきます。
 3点目は、「ものづくり・歴史・文化を活かした誘客の仕組みづくり」です。
 観光地域づくり法人(DMO)への支援を通じて、地域のつながりを生かした観光の活性化に取組むとともに、向島花街の文化継承事業への支援も引き続き行います。
 北斎プロモーションの展開では、7月に流通が始まる新千円札に葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が採用されることに合わせ、観光ガイドブックの作成、回遊イベントの実施、企画展の開催など、「北斎のまちすみだ」のPRを強化します。
 また、トリフォニーホールを核とする音楽事業では、多世代の方が文化芸術に触れることのできる環境づくりを進めます。

シティプロモーション戦略の推進

 これら3つのプロジェクトを効果的に展開するため、シティプロモーション戦略を推進し、区民の地域に対する愛着と誇り・シビックプライドの更なる醸成、各主体による「まちの魅力の伝え合いの好循環」を創出していきます。
 また、共生社会の実現に向けては、友好都市協定締結20周年を迎えるソウル西大門区や、夏季オリンピックが開催されるパリ市7区との交流を推進し、国際社会への理解促進に取組みます。
 加えて、区民と区の信頼関係が一層高まるよう、職員の広報マインドの向上を図ることで、“すみだの夢”実現プロジェクトを推進します。

行財政改革の推進

 次に、行財政改革についてです。
 持続可能な行政基盤の確立に向け、総合的人事戦略に取組むとともに、DXをはじめ、「行財政改革・行政情報化計画」や「第3次公共施設マネジメント実行計画」に基づく様々な施策を推進し、行政として担うべき業務の「選択と集中」をより一層進めます。
 その中で、事務事業の見直しや改善の取組を進めるほか、公共施設の包括管理や公私連携制度の導入など、民間活力の活用を進めていきます。
 また、施設保有総量の圧縮、施設の長寿命化、未利用公有地の利活用など、計画的にファシリティマネジメントに取組んでいきます。
 歳入の確保では、区民税・国民健康保険料等の徴収率向上の取組や、ネーミングライツを含む公有財産の活用など、引き続き自主財源の確保に努めていきます。
 このほか、ゼロ予算での事業や、「区民が主役の窓口」の推進など、区民の利便性向上のための取組を進めます。

結びに

 結びになりますが、コロナ禍を脱し、景気は緩やかな回復傾向がみられるものの、長引く物価高騰等により、区民生活や事業者を取り巻く厳しい状況が続いています。今後も、区民や事業者に寄り添った、きめ細かな取組を進めていきます。
 令和6年度は、区民の皆さんをはじめ、本区に関わる様々な方の意見を伺いながら、まちづくりの基本理念や目指すべき将来像を描く、基本構想の素案を取りまとめます。
 人と人、地域と人のつながりが織り成す地域力を源に、区議会や区民、事業者の皆様と共に、誰もが夢や希望を持つことができる、「人」が輝くまち、明日の“すみだ”を創り上げていきます。
 以上、私の令和6年度施政方針の考え方を述べさせていただきました。区議会の皆様におかれましては、今回提案しております各議案について、それぞれ適切なるご決定を賜りますよう、併せてお願い申し上げます。
 ご清聴、ありがとうございました。

(注)本文は、口述筆記ではありません。表現等について、若干の変更のある部分があり得ますので、御了承願います。

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