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更新日:2007年2月20日
開催期間:平成14年3月30日(土曜日)から平成14年5月26日(日曜日)まで
日本の近代産業の発展は、明治以降東京の都市化と共に、近郊地帯をも市街地化してきました。本所地区は江戸時代から市街地を形成していましたが、向島地区は東京の人口の増加による工場の進出により、急速に人口が増加し、農村地帯から市街地へ変化してきました。
墨東地区は、隅田川に直結する多くの水路が発達していたため、原料や製品を輸送するのに適しており、また低地のため地下が相対的に安く、工場建設の条件に恵まれていました。それが墨田区の産業発達の基礎となりました。
工業化が進む中、その業種は繊維・機械・ゴム・石けん・製革産業など多種多様なものでしたが、今回の企画展では石けんと歯磨きの製造業にスポットを当てました。
石けんは本区の伝統的工業の1つですが、その歴史を見ると日本における石けん製造業の発展に大きく寄与していることがわかります。
そのような中で、日本の石けん製造の草創期に中之郷(なかのごう)村で創業した石けん製造会社「鳴春舎(めいしゅんしゃ)」の技術が、その後の石けん製造会社の多くに影響を与えてきました。
また、今回紹介した墨田区ゆかりの石けん製造会社のほとんどが、同時に歯磨きも製造していることから、歯磨き製造についても取り上げました。石けんと歯磨きの2つの製品をつなぐ、清潔や健康という考え方は、人々の生活が豊かになるにつれて、ますます広く普及してきました。そのことは、清潔・健康・衛生上の効用をうたった各企業の石けん・歯磨きの広告などからもうかがえます。
歴史的に見て「石けんの町」・「歯磨きの町」と呼ぶにふさわしい墨田区は、現在でも業務用の石けん・洗剤の製造なども含めた会社が多種多様の製品を生産しています。今でも墨田区は、一貫して「石けんの町」であり続けているのです。
作品 | 時期 | 所蔵場所 |
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桐箱入花王石鹸(複製) | 明治23年(1890年) | 花王 株式会社、社史編纂室・資料室 |
資生堂花椿石鹸 | 大正15年(1926年) | 資生堂企業資料館 |
芳誠舎創立五十周年記念菊石鹸 | 昭和17年(1942年) | 玉の肌石鹸 株式会社 |
ライオン歯磨ちらし | 大正から昭和初期 | ライオン 株式会社、史料センター |
ミツワ石鹸解説書・ミツワ石鹸出品解説書追記 | 大正6年(1917年) | すみだ郷土文化資料館 |
ミツワ石鹸 | 昭和39年(1964年) | すみだ郷土文化資料館 |
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