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更新日:2023年8月29日
薬剤耐性については、多くの国で抗菌薬の効かない薬剤耐性菌の増加が問題となっており、将来大きな医療健康問題につながると言われています。薬剤耐性菌は抗菌薬の不適切な処方や、不適切な服用によって発生します。正しい知識を得ることで、薬剤耐性菌を増やさないようご協力をお願いします。
薬剤耐性って知ってる?(内閣官房新型コロナウイルス等感染症対策推進室)(外部サイト)
抗菌薬が効かない菌の増加は世界的な問題になっています
薬剤耐性菌が健康な人に影響を及ぼすことは多くありませんが、免疫が低下した方や高齢者が薬剤耐性菌による感染症を発症すると、治療が長引きときには死に至ることもあります。
薬剤耐性菌に感染すると、使用できる治療薬が限られます。なかには抗菌薬がまったく効かない菌もあり、発症しても治療手段がないという可能性もあるため、 薬剤耐性菌による感染症は感受性菌(抗菌薬の効く細菌)による感染症と比べて死亡率が高くなります。
2013年世界で薬剤耐性に起因する死亡者数は低く見積もって70万人とされていますが、何も対策を講じない場合、2050年には1000万人の死亡が想定され、がんによる死亡者数を超えるとした報告があります。
「薬剤耐性による死亡者数比較」AMR臨床リファレンスセンター資料より抜粋
薬剤耐性対策のポイント
抗菌薬は正しく飲みましょう
「かぜ」をひいて時に抗菌薬を飲もうと思ったことはありませんか?実は、「かぜ」の原因はウイルスによるもので、細菌に作用する抗菌薬は「かぜ」には効きません。医師が処方したり薬局で売られている風邪薬は、かぜの症状を和らげるためのもので、原因のウイルスをやっつける薬ではないのです。
- 抗菌薬を使用する際、困っていた症状が改善したなどで、自己判断で使用を中止することは薬剤耐性菌が発生する原因となります。医師の指示どおり最後まで飲み切りましょう。
- 不適切な処方は薬剤耐性菌が発生する原因となります。不適切な処方を避け、自分の体を守るためにも受診する際は、困っている症状を医師に正しく伝え、わからないことは医師や薬剤師に相談しましょう。
感染症にかからないことが薬剤耐性菌対策になります
きちんと手を洗いましょう
- 手は見た目に汚れていなくても、細菌やウイルスが付着している可能性があります。帰宅時、食事前などに石けんと流水で手を洗う習慣を身につけましょう。手洗いは。手に付着した病原体が自分のからだに侵入するのを防ぐだけではなく、周りの人に感染症を広げる事も防ぐことができます。
東京都保健医療局「ガチャピン・ムックの正しい手洗い方法」 (外部サイト)
咳エチケットを守りましょう
- 咳やくしゃみの飛沫により感染する感染症は数多くあります。「咳エチケット」は、感染症を他人に感染させないために、咳・くしゃみをする際にマスクの着用、ティッシュ・ハンカチ・袖を使って、口や鼻をおさえる事です。特に電車や職場、学校など人が集まるところで実践する事をこころがけましょう。
ワクチンを接種しましょう
- 感染症にはワクチンで予防できるものが数多くあります。ご自身のワクチンの接種歴について改めて確認をお願いします。ワクチン接種が十分でない場合、種類によっては大人になってからでも補うことができます。墨田区のワクチン接種費用助成について、詳しくは以下をご参照ください。
薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン
日本では、2023年4月に、「国際的に脅威となる感染症対策の強化のための国際連携等関係閣僚会議」において、「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」が決定されました。2015年5月の世界保健機関(WHO)総会において世界行動計画が採択され、加盟国へ2年以内の国家行動計画の策定・実行が求められたことなどから、2016年4月に閣僚会議において取りまとめられた行動計画です。
「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027)」は、更なる薬剤耐性対策の推進を図るために策定された行動計画であり、(1)普及啓発・教育、(2)動向調査・監視、(3)感染予防・管理、(4)抗微生物剤の適正使用、(5)研究開発・創薬、(6)国際協力の6つの分野に関する目標の設定、目標実現への戦略及び具体的なアクションを定めています。
関連情報
AMR臨床リファレンスセンター「かしこく治して明日につなぐ~抗菌薬を上手に使ってAMR対策~」(外部サイト)
内閣官房「薬剤耐性(AMR)国際的に脅威となる感染症対策」(外部サイト)
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このページは保健予防課(令和6年11月5日 すみだ保健子育て総合センターへ移転します)が担当しています。