ページID:321786530
更新日:2005年3月21日
磯貝 庫太(甲心)(いそがい くらた)
べっ甲はウミガメの一種「タイマイ」のこうら甲羅を加工したものです。く黒褐色(こっかっしょ)に淡黄色(おうたんしょく)のまだら模様が美しいべっ甲は、古くから愛用され、江戸時代には女性の礼装用の櫛(くし)やこうがい(髪をかきあげる用具)など頭を飾るものとして多く用いられてきました。現在は、置物などの工芸品やネックレス・ブローチといった装飾品として広く愛用されています。
磯貝さんは、16歳から本所横網のべっ甲細工師(ざいくし)・安井千代松(やすいちよまつ)さんに弟子入りし、10年の修業ののち独立・開業しました。昭和20年(1945年)の空襲で、店や道具を失いましたが、戦後は焼失したものに代わる工具造りに苦労しながら、製作に励んできました。以後、多くの優れた作品を製作し、平成2年(1990年)には、勲六等(くんろくとう)瑞宝章(ずいほうしょう)を授与されたのをはじめとして、数々の賞を受賞しています。
現在は、磯貝さんが育てた後継者で長男の一(はじめ)さんや三男の実(みのる)さんが、磯貝さんの技術を引き継ぎ、べっ甲を製作しています。
飾り扇
東京鼈甲工芸品協同組合新作コンクール金賞
(磯貝 庫太氏寄贈)
(すみだ郷土文化資料館蔵)
帆船
(磯貝 庫太氏蔵)
婚礼用の櫛・かんざし・こうがい
(磯貝 庫太氏蔵)
お問い合わせ
このページは地域教育支援課が担当しています。