積極的勧奨の再開について
これまでの経緯
平成25年度から定期接種となりましたが、接種後にワクチンとの因果関係を否定できない持続的な痛み等の副反応が報告されました。そのため、同じような副反応の発生頻度等が明らかになるまでの間、積極的に接種を勧奨しないことが平成25年6月に決まりました。一方、接種を希望する人にまで中止を呼びかけるものではなく、定期接種としての位置づけは続いていました。
その後も厚生労働省の専門家により調査や検討が行われ、HPVワクチンの安全性について特別な心配は認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ることが認められました。そして、積極的勧奨の再開となりました。厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分化会 副反応検討部会(HPVについて)(外部サイト)
また令和4年3月11日に厚生労働省による「HPVワクチンに係る自治体向け説明会」(外部サイト)が行われました。
こちらではHPVワクチンに関するこれまでの経緯、今後のワクチン接種について、ワクチン接種の機会を逃した方への救済制度(キャッチアップ接種)に関する説明が行われました。詳細はリンク先をご参照ください。
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症とは
ヒトパピローマウイルス(HPV)は特殊なウイルスではなく、多くの人が感染し、その一部が子宮頸がん等を発症します。100種類以上の遺伝子型があるHPVの中で、子宮頸がんの約50%から70%はHPV16、18型の感染が原因で、31型、33型、45型、52型、58型まで含めると80から90%を占めます。
HPVに感染すること自体は特別なことではなく、性交経験がある女性であれば誰でも感染する可能性がありますが、子宮頸がん発症にまで至るのは稀です。HPVに感染すると、ウイルスが自然に排除されることもありますが、そのままとどまることもあります。長い間排除されずに感染したままでいると、前がん病変を経て子宮頸がんが発症すると考えられています。
子宮頸がんは近年20代から30代で増加しているのが特徴で、ごく初期のがんを除いては子宮摘出となる可能性があり、その場合は妊娠や出産に影響します。
子宮頸がんの一部(HPV16型と18型によるもの)は、HPVワクチンの接種により予防できますが、すべての型の感染を防ぐことはできません。そのため、感染していたとしても早期に発見できるよう、20歳になったら子宮頸がん検診を受けることが大切です。
積極的勧奨について
定期接種の対象者は小学6年生から高校1年生相当年齢の女子です。
積極的勧奨再開初年度の令和4年度の対象者には、次のとおりご案内と予防接種予診票を送付しました。
令和5年度以降は、標準的な接種期間が中学1年生になる年度に2回又は3回の接種と定められているため、
次のとおり送付します。
対象者 | 発送の時期 |
---|---|
令和4年度に高校1年生になる女子 | 令和4年3月中旬 |
令和4年度に中学1年生から中学3年生になる女子 | 令和4年4月中旬 |
令和4年度に小学6年生になる女子 | 令和5年4月下旬 |
対象者 | 発送の時期 |
---|---|
中学1年生になる女子 | 中学1年生になる年度の4月下旬 |
(1)予診票が届くまでの間も、対象者で接種を希望する方には個別に予診票を送りますので、担当部署にご連絡をお願いします。
(2)墨田区へ転入された方は、親子健康手帳(母子健康手帳)で接種状況を確認させていただいたうえで、未接種分のうち接種可能な予診票を発行しています。お手数ですが親子健康手帳(母子手帳)をお持ちになって、保健予防課または向島・本所保健センターへお越しください。
接種機会を逃した方の対応について
積極的な勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への対応について、厚生労働省の審議会で議論がされ、令和4年度よりキャッチアップ接種及び償還払いでの救済制度を実施いたします。厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会(キャッチアップ接種について)(外部サイト)
キャッチアップ接種とは
積極的な勧奨の差し控えにより、接種の機会を逃してしまった対象者の方へ改めて未接種分の予防接種予診票を送付し、定期接種の機会を提供する制度です。
対象者の方へは令和4年6月下旬に予防接種予診票等を発送しました。
令和5年度から令和6年度にかけては、各年度中に新たに高校2年生相当の年齢になる対象の方へ、4月下旬頃に未接種分のキャッチアップ接種用予防接種予診票の発送を予定しております(※)。また、令和4年6月以降に墨田区に転入をされた方の未接種分の予診票の発行については、上述(2)のとおり窓口までお越しください。
※接種済みの回数分の予診票が届いた場合は、ご自身で破棄をお願いします。キャッチアップ接種用の予防接種予診票が届くまでの間は、高校1年生相当の年齢の年度末で有効期限を迎える予診票もそのまま使用できます。
償還払いとは
積極的な勧奨の差し控えにより、接種の機会を逃してしまった対象者の方が定期接種の期限を過ぎた後に自己負担により任意接種をした費用を助成する制度です。
申請等に関する詳細は以下のリンク先からご確認ください。HPVワクチンを自費で接種された方に対する費用助成(償還払い制度)について
ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症と予防接種について
HPVワクチンの定期接種及びキャッチアップ接種
接種対象者
通常の定期接種:小学6年生から高校1年生相当年齢の女子
キャッチアップ接種:高校2年相当年齢から平成9年4月2日までに出生した女性
接種期間
通常の定期接種:小学6年生の4月1日から高校1年生の3月31日まで
キャッチアップ接種:令和7年3月31日まで
費用
無料
※接種の際には区の発行する予防接種予診票を接種医療機関へお持ちください
ワクチンの種類・接種スケジュール
種類 | サーバリックス(2価) |
ガーダシル(4価) |
シルガード9(9価) |
---|---|---|---|
効果 | ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、16型、18型の感染及び前がん病変の予防 | ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、16型、18型ウイルスと、尖圭コンジローマ等の原因となる6型、11型ウイルスの感染及び前がん病変の予防 | ヒトパピローマウイルス(HPV)のうち、16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型と、尖圭コンジローマ等の原因となる6型、11型ウイルスの感染及び前がん病変の予防 |
接種回数 | 3回 | 3回 | (1)15歳未満で接種を開始する場合:2回 |
接種間隔 | 【標準的な接種間隔】 |
【標準的な接種間隔】 |
(1)2回接種 |
※標準的な接種期間としては、中学1年生相当の年齢で2回又は3回を接種
※HPVワクチンは、原則として初回の接種で使用した同一ワクチンで、3回の接種を完了してください。
※接種完了まで、6か月程度を要しますので、計画的に接種してください。
※キャッチアップ接種は全3回の接種の内、未接種分の接種が対象となります。自己負担の任意接種で接種をしている回数分は対象にはなりません。
9価ワクチンについて
令和5年4月1日より、9価ワクチンが定期予防接種の対象となります。
これまでに2価又は4価ワクチンで全3回接種のうち途中まで接種が完了している被接種者について、原則としては同一のワクチンで残りの接種を行うこととなっていますが、接種医師とよく相談の上で、残り回数分を9価ワクチンで接種をすることも可能とすることが予定されています。この場合は15歳未満から接種を開始していても3回接種をします。
また、令和5年度4月下旬以降には9価ワクチンに対応した予防接種予診票を作成、交付いたしますが、9価ワクチンに関する記載の無い予防接種予診票がすでにお手元にある場合においても、そのままの予診票で9価ワクチンの接種ができます。
他のワクチンとの接種間隔
HPVワクチンは不活化ワクチンです。医師が特に必要と認めた場合は同時接種ができます。新型コロナワクチンとの接種間隔は、なか13日以上の間隔をおきます。
実施場所
墨田区外で接種をする場合
東京23区内
23区内であれば、他区の予防接種実施医療機関でも定期接種を受けられます。ただし各区と契約している医療機関に限られますので、各区の契約医療機関に関しては各区の予防接種担当部署もしくは医療機関にご確認ください。
東京23区外
諸般の事情により、23区外の医療機関で接種を希望する場合は、定期接種として取り扱うため、事前の手続きが必要です。必ず区役所(保健予防課)又は保健センターまでお問い合わせください。接種費用は実費で支払った後、償還払い申請の手続きにより助成金として費用の一部または全額をお返しします。
事前の手続きがないと、定期接種としての扱いができないだけでなく、接種費用の助成もできません。
接種前にお読みください
厚生労働省作成リーフレット小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(概要版)(外部サイト)
小学校6年~高校1年相当 女の子と保護者の方へ大切なお知らせ(詳細版)(外部サイト)
HPVワクチンの接種を逃した方に接種の機会をご提供します(平成9年度生まれ~平成17年度生まれの女性へ)(PDF:1,369KB)
接種を受けた方へ
厚生労働省作成リーフレット
HPVワクチンの接種を受けた後は、体調に変化がないか十分に注意してください。HPVワクチンを受けたお子様と保護者の方へ(外部サイト)
相談先一覧
予防接種や感染症全般について
「感染症・予防接種相談窓口」では、HPVワクチンを含む予防接種、インフルエンザ、性感染症、その他感染症全般について、相談にお応えします。
【電話番号】 050-3818-2242
【受付時間】午前9時から午後5時まで(土曜・日曜・祝日、年末年始を除く)
※この相談窓口は、厚生労働省が業務委託している外部の民間業者によって運営されています。
※行政に関するご意見・ご質問は受け付けておりません。
HPVワクチン接種後に異常があるとき
まずは接種を受けた医師またはかかりつけ医に相談をしてください。
各都道府県にヒトパピローマウイルス感染症の予防接種後に生じた症状の診療に係る協力医療機関(外部サイト)があります。
受診については、接種を受けた医師またはかかりつけ医に相談してください。
予防接種による健康被害の補償(救済)に関する相談
予防接種の健康被害救済制度については、「予防接種健康被害救済制度」(外部サイト)をご覧ください。
ご申請やご相談は、保健予防課へご連絡ください。
HPVワクチンに関する情報
厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス感染症(HPVワクチン)(外部サイト)」
※Q&Aや、リーフレットなど、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンに関する特集ページです。
墨田区ホームページ「子宮頸がん検診」について
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お問い合わせ
このページは保健予防課が担当しています。