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伝統を守りながらも斬新な作品をつくる屏風職人と屏風店

ページID:642802370

更新日:2021年3月12日


片岡氏が製作した屏風

今回から、すみだ3M運動の小さな博物館、工房ショップ、すみだマイスターの方々をご紹介していきます。今回は、すみだマイスターの片岡恭一氏、片岡氏が営む工房ショップ「片岡屏風店」及び小さな博物館「屏風博物館」をご紹介します。
昭和21年に片岡氏の父 治郎氏が「片岡屏風店」を創業しました。以来、片岡屏風店では、節句用、ホテル式場用、装飾用などの屏風を専門に製作しています。現在では、東京で唯一の屏風専門店として、美しい屏風をつくり続けています。


すみだマイスター 片岡恭一氏

片岡氏は、24歳のときに稼業を継いで屏風職人となりました。37年間、伝統工芸やものづくりの楽しさを伝えてこられ、平成8年にすみだマイスターに認定されました。釣りとスキーが好きで、とても気さくな片岡氏は、伝統的な屏風の表装技術に優れ、その技術の普及・啓発に努めながら、屏風をもっと日常的に使えるようにと、従来の屏風の概念を覆す斬新な作品を次々と生み出してきました。


オーダーメイドの作品

お客様の思い出の帯や着物、絵画や写真などを使ってつくるオーダーメイドの屏風はとても人気があります。お客様が持ち込まれる素材は様々です。オーダーメイド屏風は素材に合わせた技術が求められ、失敗も許されない厳しい仕事ですが、素材を見極める眼力と頭の柔軟性を兼ね備えているからこそできる技です。


インテリアにもなる屏風作品

片岡氏が今まで製作してきた中で印象的だった屏風を伺うと、姉妹の依頼でお母様の使っていた帯を四人それぞれの屏風に仕立てたというお話が聞けました。ほかにも、お客様の亡くなった娘さんの着物を屏風に仕立て、お客様から、「飾っているといつも娘に会える」と大変喜ばれたこともありました。そのことは、NHKの番組「小さな旅」でも放送されました。


製作作業の様子

片岡氏は、ものづくりに関する幅広い知識と高い技術、そしてチャレンジ精神あふれる職人魂により、木彫刻などの異業種職人と共同で製作した屏風や、デザイナーや芸術家からの依頼に対応した新しい屏風を次々に生み出しています。
伝統の技を大切にしながらも、お客様に寄り添って屏風を製作する片岡氏は、「特に若い世代の方に、屏風に限らず、「和のもの」を見直し、取り入れてもらいたい」と語っています。


屏風博物館 展示品

「屏風博物館」では、屏風の歴史や製作工程をパネルや道具などでわかりやすく紹介しています。
屏風というと、結婚式で使われる金屏風や、ひな人形や兜などの節句用の飾りとしての印象が強いですが、元々は中国からの伝来品として、古くは奈良時代からの歴史があるそうです。当時は、風よけや空間の間仕切りとして生活に欠かせないものでした。
そのような屏風の歴史のほか、現代の生活に「和」の空間を演出できるようにした新しいかたちの屏風も展示しています。


からくり屏風

片岡屏風店では、屏風文化を後世に伝えるために「からくり屏風」の体験教室を始めました。手で持てる大きさの屏風を開き、ぱたんぱたんと動かしていくと、絵柄が変わり、一つの屏風で複数の絵が楽しめるという、全国的にも珍しく、不思議な屏風です(上写真)。どんな仕組みか知りたい方は、ぜひ体験教室にご参加ください。

お土産にもなるため、外国人の方々にも好評な、とても人気のある体験プログラムです。修学旅行生や区内の小中学生向けにも体験教室を開催しており、最大30名まで受け入れることが可能です。長年通う生徒の中には、片岡氏の本業を手伝うほどの技術を持つ人もいるとか。
職人が使う道具を使い、オリジナルの「からくり屏風」を作ることを通して、ものづくりの楽しさや伝統工芸の大切さを感じることができます。

お問い合わせ

このページは産業振興課が担当しています。