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工房文化の都市すみだ-これからの3M運動のありかた

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更新日:2021年3月12日

2016年1月27日(水曜日)に、「工房文化の都市企画委員会」委員メンバーとして始動当初からすみだ3M運動をずっと見守られてきた南和正先生を囲んで、実行委員会による勉強会が片岡屏風店で行われました。
今回はその前半として、南和正先生によるすみだ3M運動の過去、現在、そして未来についてのプレゼンテーションをご紹介します。


プレゼンテーションの様子

これからの3M運動のありかた(南先生によるプレゼンテーション)

工房文化の都市 すみだ

工房文化都市 すみだ

去年ですかね。3M運動が30周年を迎えました。この中で、初期の頃からお付き合いいただいた方もいらっしゃると思います。墨田が30年経つ前にどういうことを目指していたのかということを、今日この機会に見ていただければと思います。

1986年、すみだ3M運動誕生

3m誕生

21世紀の墨田は江戸下町の文化に学ぶ、人と人のふれあい、心の豊かさ、これこそが墨田の街づくりのアイデンティティであり、3Mをやりながら街づくりをイメージしました。大量生産から多様な少量生産に移る変化の中で墨田区が持っている職人気質、技術、そういうものに基づくクラフト的な生産を刺激して再生することで、人間に優しい街の暮らし。

目的は、街の暮らしをいかに豊かにするか、儲けるのではなくて、要するに墨田区に住んでる方が豊かな文化的生活ができるようなことを目指そうという思考でした。墨田区は江戸下町文化を基盤にしながらやって行こうと、1986年6月からスタートしたんですが、それが1つの目指す方向だったと思います。

3M運動と工房文化の都市、すみだの青写真「伝統とイノベーション」

伝統とイノベーション

マイスター、小さな工房、小さな博物館の目指すところは、今までを大企業の下請けで企画も含めてただただ作らされていたという時代から脱却しようというのが、3M運動を立ち上げた大きな目的だったと思います。
自分で考えて、提案し、プレゼンテーションし、販路を作り、高付加の利潤の高い仕事をしていこうと。下請けでいつも忙しいけれど、朝から晩まで安い賃金で叩かれる。そういうことからは脱却しようというのが、3M運動のスタートした考え方です。

拠点づくりは、もう30を超えるようになり点線面の点の数が多くなってました。その中ですみだ地域ブランド戦略が立ち上げられて、ここで出てきたものをすみだモダンに認証し、いい商品を外に出していこうというものが始まりました。これは、ブランドを作りながら世の中に打っていこうという戦略です。

最初に3Mを立ち上げた時の思想は、やはりもともと江戸下町が共に支え合う暖かい街が江戸下町文化で、自分だけが儲けるんじゃなくて、相手も儲かるような三方よしという日本古来の考え方、これが特に評価されているような時代に今なってきたのかなという風に思います。

工房文化の都市・すみだのアイデンティティ-INNOVATION DISTRICT “特区”- 工房文化創造都市のすすめ

工房文化創造都市のすすめ

そういう中で、工房文化都市としての街のイメージですが、墨田の位置付けを考えた時に、やはり江戸下町文化を基盤としながら、色んなものを発見して、プロダクトや街づくりに生かしつつということが大切なんじゃないかと。
 人の真似をしてはしょうがないんです。墨田区にしかない唯一無二の歴史と遺産と開発を戦略的にやりながら、時代によっては外の知恵も借りつつ、新しいものを作ってゆく、そういう時代に来ているのだろうと。それを我々は江戸下町の遺産を大事にしていこうという考え方でやっていかなくてはならないだろうと。

墨田は、色々な多様な魅力を持ったところです。そういう多様な人間、下請け、技術、そういう人が繋がりつつ、なおかつ外と繋がり、モノづくりと街づくりが重なることによって、他の区と違った新しい姿が見えてくるだろうと。

工房文化都市の”次世代の青写真”を創造するスミダに暮らしたいと思う5つのデザインの思い

30年が経ちました。これから50年、100年先には、時代が大量消費から少量生産、それから時間、ライフスタイルも変わってきました。そういう中で、次世代の工房文化都市の青写真をイメージしながらモノづくりをしたらどうかなと。
墨田に暮らしたいという街づくり、モノづくり、生活といったものを繋げて、暮らしを豊かにしたり、個性と魅力をなるべく生かしていく。住んでる人は想像力を高め、暖かい心を育みながら次世代へ繋ぐ街づくり、モノづくり、そして新しい暖かい暮らしづくり、これが墨田の青写真であろうと。ものをつくる時にぜひものだけではなくて、ライフスタイルも、そして自分の建物の外観も含めてイメージをしながら整理していただくことが、最終的には重なって墨田らしい都市づくりになってくるんじゃないかなという風に思います。

工房文化の都市スミダの構造

そういう中で、江戸下町情緒を作っていこうと。でもその反面、人が来たら簡単に移動していただくモビリティも整備しようと。停留所、バスルート、案内情報、これからはWi-Fiがあればインターネットでどこでも情報が取れて、個人でどこでも行ける、そういう状況です。
海外から来るお客を含めて、やはり来訪者の案内所を的確に行きやすくやる。これはかなりビジネスに繋がる街づくりだと思います。そして、最後に、そうは言っても区に住んでる人たちが墨田区っていいだろう、おいでよと。そういう誇りを持てる工房文化都市を目指すのが私たちの道であろうという風に考えました。

スミダの歴史とこれから

スミダの歴史とこれから

荘子が言ってました。「故にはじまり、性に長け、命になる」故というのは生まれつきですね。墨田区そのものが生態系も含めて田んぼであったり川があったりという地の分で、そういう歴史を把握しながらそこで色々努力する。その努力というのが江戸下町という1つの下町の文化をもう1度発見しながら生かして、先進的な技術を使って、スマートシティに持っていくんだということですね。だから、あくまでも墨田区は墨田区。それを温故知新ではないですが、忘れずにそれを生かしていく、それが唯一無二の墨田らしいブランド力を持った街になるんじゃないかと。
墨田区は人も優しい、色んな意味でおもてなしも素晴らしい、他と違っていい技術で製品もいいよねと。そういうことも含めて、墨田区の歴史、生い立ち、これからあるべき姿を3Mを考えながらでもそれぞれ持っていただきたい。

街づくりは任していればいいやというものでもなく、観光で来た方をどうやってうまく誘導するか、これは回遊の構造と言うようにいかに回遊させるか、ベンチだとかサインだとかノボリとかバス停とかそういう製品でトータルに街づくりをしたら、墨田区は必ず他と違った賑わいができると思います。相撲もあり、錦糸町、スカイツリー、隅田川、こういうものを人がうまく楽しく回りながら、色々なところにある3Mの拠点を見ていただく。

開かれた3M運動・グローバルへ-“繋ぐ”OPEN INNOVATON-

大企業でしかなし得なかったことを、個人でもできるようになってきました。これまで江戸時代のもの、文化、遺産というのは古いよねということが国内ではありましたが、進化して新しいデザインになり、製品化してスマートフォンで世界に流す。そうすると、少なくともマーケットは国内から海外に広がります。それが、インターネットのすごいパワーだと思います。どちらもインダストリーフォーという新しい国家戦略を作っております。そういう中で、江戸下町、粋の美学が、スマートシティ、インターネットに繋がると販路が広がるという風に思っており、世界がマーケットになるように視野を広げてやっていくのがこれから大切だろうと思います。

すみだものづくり研究機構(仮称)-すみだ3Mファンクラブ-

これは最近よく言われているんですけれど、今3Mの色々なPRをやっております。3Mのファンクラブですね。今こうやって活動なさってるんですけれど、3Mを理解しそれに対して常に、SNSでもいいんですけれども常に簡単に発信できて相談できる、そういう時代になってきてると思います。
バルミューダという扇風機は、今まで1万円くらいだったものを、3~5万円くらいで、二重の羽根にしました。普通の風だと暴力的な風なんですけれど、羽根を二重にすることによって、中と外の風をぶつけることによって、扇風機を開発したということですね。ストーリーを持ちながら、ものを理解していただいて買っていただく。それもかなり高付加価値のものですね。だから、こういうビジネススタイルも含めて、ぜひ勉強していただきたいなと思います。

後半のトークセッションにつづく

南 和正 氏
元株式会社GK設計 代表取締役社長
建築・都市デザイン・街づくりを専門とし、これまで富山市のLRT整備事業を始め、数々のプロジェクトを手掛ける。1990年から3M運動に関わり、現在も「工房文化の都市企画委員会」委員として、3M運動の認定審査等に携わる。

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