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更新日:2025年1月27日
登録日
令和7年1月23日
概要
江島杉山神社(えじますぎやまじんじゃ)所蔵琵琶は形状、品質ともに典型的な平家琵琶の特徴を持つ琵琶です。
平家琵琶とは、『平家物語』を語る日本の伝統音楽「平家」の伴奏に用いられる楽器のことです。
この琵琶を所蔵する江島杉山神社は、当道座(とうどうざ)の惣検校(そうけんぎょう)杉山和一(すぎやまわいち)の拝領屋敷に祀られた弁天社に始まります。
江戸時代には、この地で「平家」を担う当道座の人々が京都の職屋敷にならい、年に2回の琵琶会を開き、演奏を奉納していました。
撥面(ばちめん)には弦の跡が認められ、撥が当たる部分には擦れた部分が確認されていることから、この琵琶にも演奏の痕跡をうかがうことができます。
平成12年(2000)に行われた修理で、槽内墨書(そうないぼくしょ)が確認され、二老吉川検校が所持していたこと、文政6年(1823)に長田憲豊が修理したこと、安政5年(1858)に藤原吉次が関係したことが分かりました。
琵琶箱の蓋裏には朱漆で琵琶銘や制作者、所持者の変遷が綴られ、所持者たちは江戸の「平家」を担う宗匠が主となっています。槽内墨書の吉川検校も江戸の宗匠でした。残念ながら、現状では琵琶本体と琵琶箱が一具であることを確かめる術はありませんが、彼らが手にしてきた平家琵琶が当道座にゆかり深い神社に奉納され、守られてきたことは大変に貴重なことで、一体に保存継承するべき工芸品です。
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