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更新日:2025年6月26日
中央線高円寺駅北口。純情通り商店街を徒歩約5分。左の路地に入ると銭湯小杉湯がある。創業は昭和8年。大きく立派な造りの建物は国の登録有形文化財に指定されている。そしてその隣にあるのが今回の見学先「小杉湯となり」だ。こちらは斬新なデザインの明るい感じのする建物で、小杉湯の黒と小杉湯となりの白とのコントラストが清々しい。
小杉湯となりを運営する株式会社銭湯ぐらしの代表取締役、加藤優一さんにお話をうかがった。加藤さんは建築家で東北芸術工科大学の先生でもある。
銭湯小杉湯
小杉湯となり
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なぜ高円寺で「銭湯ぐらし」をはじめたのか
加藤さんは大学卒業後、設計事務所に就職するために上京して高円寺に住み始め、近くにあった小杉湯に銭湯に足しげく通った。建築設計の仕事は夜遅くまで働くことが多く、ほっとできる場所がこの銭湯だったとのこと。
ある時、常連となっていた加藤さんに、番台の平松さんから銭湯の隣に持っている木造風呂無しアパートを建替えたいと相談があった。常連の仲間に声をかけ、まずは風呂無しアパートを1年間借りて、そこで暮らすプロジェクト「銭湯ぐらし」をはじめた。オーナーの協力も得ながら12室あるアパートに10人が入居し、残りの2室は共用室となった。高円寺はクリエイターが多く住むまち。「銭湯×風呂なしアパート×銭湯好きのクリエイター」の化学反応がはじまったのは2017年のことだった。
風呂なしアパートの建替えからまちづくりへと展開
1年が経ち、約束通りに風呂無しアパートは解体されることになった。解体後に何を建てるのか。銭湯ぐらしのメンバーたちと意見を出し合った。「それぞれの暮らしを持ち寄れる、まちのシェアスペースのような場所」を建てられないだろうか…。アパートの解体後も定期的に会っているうちに、このメンバーと活動を続けられないかとの意見もあった。このプロジェクトを継続することは銭湯のあるまちを守ることにつながらないだろうか。そんな想いが重なり、銭湯のとなりの風呂無しアパートに住んでいた10人で株式会社を設立し、「小杉湯となり」を企画し事業化することになった。
何をやるか。事業の企画をみんなで持ち寄ることで全員が当事者になる。だれかに向けたサービスではなく自分たちの暮らしを充実させることを前提に展開していく。事業化するには大変な苦労があったとのことだが、2020年に「小杉湯となり」は完成し、さらに、ここを中心に高円寺の街にも広がっていく。サテライトスペース「小杉湯となり―はなれ」、第二の銭湯付アパート「湯パートやまざき」などの拠点が新たに生まれている。
株式会社銭湯ぐらしでは、お風呂は小杉湯、書斎と台所は小杉湯となり、寝室は銭湯つきアパートというように、街全体を家のように楽しむライフスタイルを提案している。
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