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関根硝子株式会社「オリジナルの自動加工機をフル活用し理化学ガラス製品を製造」

ページID:680196297

更新日:2025年7月1日


取材日:2022年11月10日

理化学ガラス製品を主力にする一方、他業種とのものづくりにも 参画

関根硝子株式会社は、1952年にガラス加工品の製造業として創業しました。創業当初は江戸切子の切子加工を行っていました。その後、1966年にムク栓(ガラスコックのプラグ)の穴あけ加工、ストップコック(水栓コック)の製造をスタートすると、以降の主力商品となりました。
大きな転機となったのは、1997年に初めて自動加工機を導入し、2年後の1999年、現在地に工場を移転するとともに本格的に自動化に取り組み始めたことです。これが、同業他社に対して差別化のポイントとなっています。現在、千歳にある工場内では10台以上の自動加工機械が稼働。理化学・工業用ガラス製品、特に大量生産品を主力として製造販売しています。
また、理化学ガラス製品の製造を主力にする一方で、他業種とのものづくりにも参画しています。墨田区に事務所を持つデザイン会社「有限会社セメントプロデュースデザイン」からの依頼を受け、石川県の伝統工芸品である山中漆器で作られた和ろうそくスタンドの風防を手がけています。この和ろうそくスタンドは、癒しのひとときを感じる工芸品として注目されています。

自動化のメリットを最大限活用し、バラつきの少ない製造が可能に

ガラス製品の製造業界においては、ガス加工はほぼ手作業で行われているのが現状です。関根与志和社長は、大量のものを手作業で生産するうえでも求められる、再現性・精度の高さに対応するため、他社にはないオリジナルの自動加工機の導入を積極的に進めてきました。工場内には、独特の形状をしたむき出しの機械が、まるで生き物のように並んでいます。
大量生産においても精度の高さを標準化することに成功しました。また、自動化は人材不足を補うという利点もあります。業界全体の高齢化から廃業する外注先も多いため、印刷以外の工程の内製化を進めてきました。 製品としては、各種水質検査に使われるフラン瓶のほか、遠沈管やジムロート冷却器などの理化学ガラス製品を得意としています。

治具の製造を内製化し、高精度な研磨加工に

自動化に加え、研磨加工も重要です。理化学ガラス製品は、「共通()り合わせ」という工業製品の標準規格として幅広く用いられるJIS規格に基づき、ガラス栓と開口部の接合面を規格で決められた径になるようにする研磨が必要となります。そのため、加工治具(()り棒)を三次元測定器や画像寸法測定器を用いて厳密に管理し、高精度な研磨加工を可能にしています。このように加工治具のほか、測定治具についても、機械加工室で汎用旋盤やフライス盤、ボール盤、円筒研削盤などを用いて自社製作を行っていることも特徴の一つと言えるでしょう。

基本となる手加工の技術力も秀逸

自動化を強みとするとは言っても、ガラス加工に手作業は必要不可欠な工程です。職人歴25年以上を誇る1級ガラス製品製造技能士2人が在籍し、複雑にして高い精度を求められる製品の加工に対応することができます。例えば、主力製品の一つであるナスフラスコは手加工で製造している製品です。
このように大量生産品=自動化、小ロットの複雑な製品=手加工というふうに、製品によって製造工程を使い分けることが可能です。 高齢化が進み後継者不足も顕著となっているガラス加工業界ですが、職人志望の方が新しく入社し、活気があふれています。その方は熟練職人の熱心な指導の下、技術力の研さんに励んでいるところです。

ガラス加工製造における3つのポイント

工程の内製化

業界内では珍しく、印刷以外の工程(ガス成型加工・研磨加工)の内製化を実現。各作業員が意識・意見のすり合わせを行い、品質・生産性の向上に結びつけています。

大量生産、小ロットの双方に対応

大量生産=自動加工機、小ロット=職人の手加工と、顧客の要望に応じて臨機応変に対応できることが、強みとなっています。

クレームへの適切な対処

製造業という性格上、不良品やクレームを完全にゼロにすることは困難ですが、その際には発生原因の解明と有効な対処法を報告するなど、誠実な対応に心がけます。

将来の持続可能性を高める人材育成

企業の将来像を考えるに当たって、人材育成の占める重要性は極めて大きいと言えます。全業種の新卒入社の現状を見ても製造業の人気は高くはなく、特に中小企業の場合はなおさらです。関根硝子株式会社の周辺にも、かつては無数の町工場が稼働していましたが、現在は大きく減少してしまいました。関根陽志工場長は「製造業に対するネガティブなイメージを払拭しないと、ガラス加工業界はますます縮小していくことでしょう。これは業界全体が抱える問題ですね」と語っています。
そのため、同社はいち早く加工の自動化を実施してきました。自動化は単なる機械化ではなく、人の動きの特性をオリジナルの機械が代替するような仕組みであり、精度の追求だけではなく、体力や集中力という側面で厳しい作業を機械が負担するという意味でも重要です。さらに新たな加工資材の導入により、生産効率の向上も図っています。 また、企業としてのスローガンを「目指せ!毎日0.1%の進化」としています。毎日毎日の進化は前日の0.1%アップであっても、1年365日積み上げたら、44%も進化することとなるという意味です。このことを胸に抱き地道な努力を継続できる人材が、企業の将来性を左右することとなります。

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