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更新日:2024年3月4日
墨田区のお知らせ「すみだ」に掲載された人権コラムを掲載しています。
人権コラム
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2024年2月1日
様々な病気への理解を深め、差別や偏見をなくしましょう
新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃は、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識がないために、感染者や医療従事者、その家族等への 誹謗中傷が問題となりました。さらに、感染症に関する誤った情報によって、不安があおられる事態が発生し、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしました。
病気に関する不確かな情報や誤解から生まれた差別の1つに、ハンセン病があります。ハンセン病は、らい菌による感染症ですが、感染力は弱く、現在の医療では治癒できる病気です。しかし、かつては治らない病として考えられ、法律によって患者は療養所に強制的に隔離され、本人とその家族は差別と偏見に苦しみました。今では法律等により患者等の名誉は回復されていますが、差別が完全になくなったとは言えません。
様々な病気に対する差別や偏見をなくすためには、周囲の人が正しい知識を持ち、理解を深めることで、患者やその家族の人権に配慮することが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2023年9月1日
災害時の人権について考えてみましょう
本日で関東大震災から100年を迎えました。平成23年3月11日に発生した東日本大震災をはじめ、毎年のように日本各地で地震や大雨による水害などの災害が起きていますが、それに伴う様々な人権課題もあります。
甚大な被害をもたらす災害時には、家を失うなどして多くの人たちが長期にわたり避難所生活を余儀なくされます。避難所等では、避難者のプライバシーの確保のほか、高齢者、妊産婦等の要支援者への配慮が求められます。
また、東日本大震災のときには、地震と津波に伴い発生した福島第一原子力発電所の事故で、避難した人たちに対し、風評による嫌がらせも起きました。このことから、災害の混乱に乗じてSNSなどで拡散される根拠のない情報、デマ、うわさ話に惑わされない冷静な判断も必要です。
災害は多くの人命を危険にさらし、被災者の生活を奪います。こうしたときこそ、一人ひとりが被災した人たちの状況を理解し、思いやりや優しさを忘れずに人権に配慮しながら支援していくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2023年6月1日
誰もが暮らしやすい多文化共生社会を実現するために
今年は4年振りに隅田川花火大会が開催されるなど、コロナ禍からの復活の年として、観光や仕事で国内外から多くの方が訪れる機会が増えています。また、区の人口は28万人を超え、そのうち外国人は4月1日現在約1万4,000人を占めており、区民の約20人に1人が外国人となっています。
このように、様々な国から人が集まり国際化が進む現在では、同じ地域に暮らす住民として安心して暮らせる共生社会づくりに向け、お互いの人権を尊重することが必要です。
しかし、外国人であることを理由とする就職上の不当な取扱いや、賃貸住宅への入居拒否、さらには特定の民族や国籍の人々を排斥しようとする街頭活動やインターネット上の書き込み、いわゆるヘイトスピーチが社会問題になっています。
国籍や文化の違いにかかわらず、お互いの人権を尊重し支え合う共生社会を実現するために、私たち一人ひとりがそれぞれの文化や生活習慣の違いを認め合い、多様性を受け入れていくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2023年2月11日
子どもの権利を守りましょう。
子どもの権利を守るための包括的な法律として、こども基本法(4月1日施行)が昨年6月15日に成立しました。この背景には、児童虐待の相談や不登校の件数が過去最多を更新しているなどの、子どもを取り巻く状況の深刻さがあります。
こども基本法は、国際条約である児童の権利に関する条約(平成6年批准)に対応し、条約の4原則「差別の禁止」「生命・生存および発達に対する権利」「児童の意見の尊重」「児童の最善の利益」を踏まえた内容が基本理念に規定されています。
子どもには、どのような理由でも差別されず、命が守られ、成長を支えられる権利があります。また、年齢や発達に応じて、自分に直接関係があること(学校や職業の選択等)はもちろん、それ以外のことも自由に意見を言う権利や、多様な社会活動(ボランティア活動等)に参加する権利もあります。また、大人は子どもの権利を尊重し、子どもの人生にとって最も善いことは何かを考え、実践していく必要があります。
私たちが子どもの権利を守るために何ができるか、改めて考えてみましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2022年9月1日
多様な性のあり方について考えてみませんか
私たちの「性のあり方」は様々な要素から成る多様なものです。要素には、からだの性(生物学的特徴等による性別)、性的指向(恋愛・性愛感情の対象による概念)、性自認(自分で認識する性別)、性別表現(言葉づかい、服装、しぐさ等による社会的な性別)などがあります。
性のあり方は、生き方そのものであり、個人の尊厳として尊重されるべき大切なものです。
しかし、「男(女)は、こうあるべき」「異性を好きになるのが普通」といった意識等の影響で、生きづらさを感じている人がいます。中には偏見や差別を恐れ、誰かに打ち明けたり相談したりすることが難しい人もいます。
お互いの性のあり方を尊重し、誰もが生きやすい社会にするためには、社会の仕組みや性の多様性を知り、一人ひとりが自分の性的指向や性自認を自分のこととして考えてみることが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2022年6月1日
人権を尊重し多様性を認め合う平和な社会に向けて
区では、人権啓発基本計画を策定し、人権に関する啓発を行っています。この度、令和4(2022)年度~13(2031)年度の計画改定を行いました。
誰もが住みやすい環境づくりには、お互いの生活習慣、文化、価値等の違いを認め合い、多様性を尊重することが大切です。
しかし、依然として女性・子ども・高齢者・障害者への差別や偏見、部落差別(同和問題)等、様々な人権課題が存在しています。
また、近年では、インターネット上の人権侵害や様々なハラスメント、ヘイトスピーチ、性的指向および性自認を理由とする差別や偏見、災害時における人権侵害、新型コロナウイルス感染症に関する様々な差別や偏見など、社会・経済状況の変化等により人権問題も多様化、複雑化しています。
人権を尊重し多様性を認め合う平和な社会の実現には、自分の人権と同時に他人の人権も尊重することが必要ですが、ときに様々な権利が対立することも考えられます。このようなときに重要になるのが、相手の立場に立って考え、感じることです。どちらか一方、あるいは誰かが我慢したり譲ったりするのではなく、まずは相手の立場に立って考えることから始めましょう。そして、人権が尊重され、多様性が認められ、社会的に孤立することなく人とのつながりを持つことができる社会の実現をめざしていきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2022年2月21日
あなたは大丈夫?考えよう!インターネットと人権
現代社会では、インターネットは身近なものとなっており、SNSや動画共有サイト等のソーシャルメディアの利用者も増加しています。
しかし一方で、インターネット上でのプライバシーの侵害や名誉棄損等の人権を軽視した行為が、社会的な問題となっています。また、SNSや掲示板で、特定の民族や国籍の人々を排斥する「差別的言動(いわゆるヘイトスピーチ)」や、部落差別(同和問題)に関する悪質な書き込み等も発生しています。最近では、なりすましや、発信元を特定できない形での書き込みなど、手段が悪質で巧妙なものもあります。
インターネットを使用する際は、根拠のない情報やうわさ話を拡散しないよう、冷静な行動を取ることが大切です。また、インターネット上では、情報発信の容易さや匿名性から、無意識のうちに相手を傷つけてしまう場合があります。LINE等の無料通話アプリやSNSなどを利用するときは、普段以上に相手への配慮を心掛けましょう。顔が見えないからこそ、その言葉を直接相手に伝えた場合、相手はどう思うかを考えてみることが大切です。
注:部落差別(同和問題)とは、日本社会の歴史的発展の過程で形成された人々の意識に起因する差別が、様々な形で現れている人権問題のことです。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2021年9月1日
ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)を考える
ソーシャルインクルージョン(社会的包摂)は、平成12(2000)年に当時の厚生省(現 厚生労働省)の報告書で「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」ことと説明されています。つまり、子どもや高齢者、障害の有無に関わらず、誰もが健康で文化的な生活が送れるよう、社会の中で互いに助け合って生活していこうという考え方です。排除や貧困など様々な問題の解決策にも位置付けられています。
難しい言葉のように感じる方もいるかもしれませんが、私たち一人ひとりが、この考え方をもって生活することが大切です。ソーシャルインクルージョンが社会に浸透するよう、皆で努力していきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2021年6月1号
今こそ、人と人とのつながりを。STOP!コロナ差別
新型コロナウイルス感染症の収束がいまだに見えない状況の中、感染者や医療従事者、その家族等に対する様々な差別的扱いが報道されています。例えば、感染から回復したにもかかわらず会社から一方的に自宅待機を命じられたり、感染者の名前や行動を特定し、SNS等で公表・非難されたりといったことなどです。こうした偏見や差別は決して許されません。
コロナ禍において、感染するかもしれないという恐怖が不安を呼び、その不安が「差別」、「偏見」を生みます。感染症がもたらす怖さは、こうした「差別」、「偏見」がウイルス感染に関わる人や対象を日常から遠ざけ、人と人との信頼関係や社会のつながりを失わせることです。恐れるべきものは、人でなくウイルスです。今こそ、私たち一人ひとりが互いの立場に立ち、相手を思いやり、優しい心で支え合うことが大切です。不確かな情報に惑わされず、正しい情報に基づいた冷静な行動をお願いします。
法務省による相談窓口
法務省の人権擁護機関では、新型コロナウイルス感染症に関連する人権侵害を受けた方の相談を受け付けています。新型コロナウイルス感染症に関する人権侵害のみならず、様々な人権侵害に関連する電話相談も受け付けています。
[相談先]みんなの人権110番 電話:0570-003-110
*月曜日から金曜日までの午前8時半から午後5時15分まで(祝日・年末年始を除く)
区による法律・人権相談
区では、人権侵害に関して悩みを抱える方が無料で弁護士に相談できる法律・人権相談を実施しています(事前予約制)。
[予約受け付け]すみだ区民相談室(区役所1階) 電話:03-5608-1616
*相談は毎週月曜日・水曜日・金曜日の午前10時から11時半まで、午後1時から4時まで(祝日・年末年始を除く)
*相談時間は1回30分
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2021年2月1号
多様性を認め合い、互いに支え合う社会をめざして
区では、様々な法律等に基づき、差別の解消に向けた取組を行っています。その法律等の中に、平成28年に施行された、いわゆる人権三法(障害者差別解消法・ヘイトスピーチ解消法・部落差別解消推進法)があります。
「障害者差別解消法」は、障害の有無に関わらず、お互いに人格と個性を尊重し合いながら、共に生きる社会を実現することを目的に施行されました。区では「墨田区障害者差別解消支援地域協議会」を設置し、障害者団体関係者をはじめとする委員により、障害者差別の解消に向けた取組を推進しています。障害の有無に関わらず、共に社会の一員として自立した生活を送ることができるよう、お互いを理解し、支え合っていくことが大切です。
「ヘイトスピーチ解消法」では、外国人への不当な差別の解決に向けて私たちが理解を深め、不当な差別的言動のない社会となるよう努めなければならない、と定められています。特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動(いわゆるヘイトスピーチ)をなくすためには、私たち一人ひとりが、それぞれの文化や生活習慣の違いを認め合い、多様性を受け入れていくことが大切です。
「部落差別解消推進法」は、日本社会の歴史的発展の過程で形作られた身分制度や歴史的・社会的に形成された人々の意識に起因する部落差別のない社会の実現を目的に施行されました。部落差別は日本固有の人権問題であり、最近では、インターネット上での不当な差別的書き込み等の事案も発生しています。まずは私たち一人ひとりが部落差別についての理解を深めることが大切です。
認識不足や偏見で相手を傷つけ、人権を侵害することがないよう、一人ひとりが人権意識を高め、多様性を認め合い、互いに支え合う社会をめざしていきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2020年9月11日号
インターネット上でも、相手への配慮を心掛けましょう
私たちの生活は、インターネットでの情報の収集や発信、コミュニケーションが可能になったことで飛躍的に便利なものとなりました。近年では、スマートフォンの急速な普及に伴い、インターネットは子どもにとっても身近なものとなっています。
一方で、インターネット上の掲示板に個人情報を掲載し、プライバシーを侵害したり、特定の個人を誹謗中傷したりするなど、人権を軽視した行為も大きな問題となっています。また、SNS(ツイッターやインスタグラムなど)では新型コロナウイルス感染症や災害などに対しての不安や恐れから、不当な差別発言や誹謗中傷も見受けられます。
インターネット上では、情報発信の容易さや匿名性から何気ない書き込みにより相手を傷つけてしまう場合があります。無意識のうちに加害者とならないよう、ルールやマナーを守っていくことが必要です。LINE等の無料通話アプリやSNSなどを利用するときは、その言葉を直接相手に伝えた場合、相手はどう思うかを考えてみるなど、顔が見えないからこそ相手への配慮を普段以上に心掛けましょう。また、根拠のない情報やデマ、うわさ話は拡散せず、一旦インターネットから距離を置くなどして、冷静な行動を取ることが大切です。
法務省による取組
法務省の人権擁護機関では、インターネットを利用する際の注意事項をまとめた啓発冊子「あなたは大丈夫?考えよう!インターネットと人権(法務省人権擁護局企画)」を作成しています(区ホームページから出力可)。また、インターネット上の人権侵害のみならず、様々な人権侵害に関連する電話相談も受け付けています。
[相談先]みんなの人権110番 電話:0570-003-110(月曜日から金曜日までの午前8時半から午後5時15分まで)
都による法律相談
都では、インターネットにおける人権侵害に関して悩みを抱える方が無料で弁護士に相談できる法律相談を実施しています(事前予約制)。
[予約受け付け] 電話:03-6722-0124(月曜日から金曜日までの午前9時半から午後5時半まで)
[相談方法]予約後、弁護士との電話相談
※詳細は東京都人権プラザのホームページを参照
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2020年6月1日号
ハラスメントのない、思いやりのある社会をめざして
ハラスメント(嫌がらせ、いじめ)は、受けた人や、周りの人たちに深刻な影響を及ぼし、仕事への意欲や自信を失わせたり、心身の健康状態を悪化させたりする重大な人権侵害です。
「労働施策総合推進法」の改正では、パワーハラスメント(以下、パワハラ)とは、「優越的な関係を背景とした言動であり、業務上必要かつ相当な範囲を超えて、労働者の就業環境が害されるもの」とされ、これらを防止するため、この6月より順次必要な対応をすることが事業者に義務付けられています。具体的には、職場においてパワハラに対しての就業規則・相談体制などを労働者へ周知することや、パワハラが起こった際の迅速な対応などが挙げられます。これらの取組により、誰もが安心して働くことのできる労働環境の実現が期待されます。
雇用の関係に関わらず、就労者一人ひとりが人権を尊重する職場づくりを心掛け、働く意欲のある全ての人々が、安心して働き続けることができるよう、ハラスメントのない思いやりのある社会をめざしましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2020年5月1日号
新型コロナウイルス感染症に関連する人権への配慮をお願いします
新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染者やその家族、外国人、海外から帰国した方、医療機関関係者などに対する誹謗中傷や、いわれのない差別的扱いなどの事例が報道されています。
不当な差別、偏見、いじめ、SNSでの誹謗中傷等は人権侵害に当たります。特に、不安な状況下ではそういった人権侵害が発生しやすくなる傾向にあります。不確かな情報に惑わされず、正しい情報に基づいた冷静な行動をお願いします。
法務省の人権擁護機関では、新型コロナウイルス感染症に関連する人権侵害を受けた方の相談を受け付けています。
[相談先]みんなの人権110番 電話:0570-003-110(月曜日から金曜日まで午前8時半から午後5時15分まで)
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2020年2月21日号
同和問題(部落差別)について理解しよう
同和問題(部落差別)とは、日本社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分制度や、歴史的・社会的に形成された人々の意識に起因する差別が、様々な形で現れている日本固有の重大な人権問題です。
太古の人々は、狩猟をして肉を食べ、皮は衣服などに使用していました。また牛馬の解体は、神聖な儀式とされていました。しかし、狩猟から農耕社会へと時代が変化していく中で、皮や食肉を扱う人々は「ケガレ(穢れ)」た存在と見なされるようになります。中世には、皮革のなめしをする人々が当時において高度な技術を扱うために、畏れられ、差別されることもありました。これらは、その技術に対する「無知」が起こしたものと言えます。
江戸時代になると、差別は「身分」として固定化され、「エタ」、「ヒニン」などと呼び方が統一されていきました。また、当時の支配者(武士)が、民衆の持っていた差別意識を利用し、農民や町人の差別観をさらに募らせるようにしていったとも言われています。
平成28年に施行された「部落差別の解消の推進に関する法律」には、現在もなお部落差別は存在する、と明記されています。
偏見や差別、人権侵害等の事件をなくすためには、私たち一人ひとりが、同和問題(部落差別)の歴史について正しく理解し、革製品ができる過程や、牛肉や豚肉などがどのように加工されて私たちの食卓に並ぶのかを知ることが重要です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2019年11月11日号
国籍を問わず、誰もが暮らしやすいまちをめざして
国内、そして区内においても、言語、文化、宗教、生活習慣などの違いやこれらの無理解から、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動、いわゆるヘイトスピーチが起こっています。こうした言動は、人々に不安感や嫌悪感を与えたり、差別意識を生じさせたりするだけでなく、人としての尊厳を傷つけることになりかねません。
平成28年6月に施行された「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律(ヘイトスピーチ解消法)」には、「国民は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、本邦外出身者に対する不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない」とあります。また、この法律を踏まえ、平成30年10月には「東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例」も制定されました。
区には、現在約1万2,800人の外国人が暮らしており、観光や仕事で訪れる外国人も多くいます。国籍を問わず、誰もが暮らしやすいまちをめざし、私たち一人ひとりが、それぞれの文化や生活習慣の違いを認め合い、多様性を受け入れていくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2019年9月21日号
障害のある方々の人権について考えよう
白杖をついて歩いている方がいれば視覚に障害のある方、車いすに乗っている方がいれば歩行が困難な方だということは認識できると思います。しかし、障害のある方の中でも内部障害のある方や、精神障害のある方などは、外見からは障害のあることの認識が困難です。そのため、このような障害のある方が電車やバス等の優先席に座っていることに対して、周囲の理解を得られにくいということがあります。
平成28年に施行された「障害者差別解消法」では、「障害を理由とする差別の解消を推進することにより、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現をめざすこと」を目的とし、行政機関や民間企業等の事業者に対しては、「障害を理由とした不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮」の提供を求めています。さらに、平成30年には「東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例」も施行されました。
私たちは、外見から障害のあることが分かる方も外見からは分からない方もいる、ということを理解する必要があります。人は皆、多様で個性的であり、お互いの違いや困っていることを意識し、他者への思いやりを持つことが大事なのです。誰もが障害の有無に関わらず、参画できる社会をめざし、まずは障害のある方々の人権について考えてみましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2019年7月21日号
令和の時代も人権について考えましょう
新しい元号となり3か月が経とうとしています。令和の時代も、様々な人権について考えていきましょう。今年度も、区内の小学生・中学生が人権に関する様々な活動を行っています。協力することや感謝することの大切さを学び、思いやりの心を身に付ける「人権の花運動」では、東吾嬬小学校・押上小学校・八広小学校の児童が、みんなで力を合わせ各小学校で花を育てています。また、豊かな人権感覚を身に付けることを目的として、中川小学校の児童たちが「人権メッセージ」を、両国中学校・堅川中学校・錦糸中学校・吾嬬第二中学校の生徒たちが「人権作文」を書いています。なお、「人権メッセージ」と「人権作文」の優秀作品は、発表会等で児童・生徒たち自身が朗読する予定です。
今年は、5年に一度行っている「墨田区人権に関する区民意識調査」を予定しています。「墨田区人権啓発基本計画」(平成23年4月策定)を改定するための基礎資料となりますので、ご協力をお願いします。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2019年2月11日号
人権が尊重される社会を目指して
平成28年に差別解消に関する3つの法律が施行されました。「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」「部落差別の解消の推進に関する法律」です。
区では、あらゆる差別の解消に向けて様々な取組を行っています。しかし、インターネット上での心ない表現をはじめ、私たちの周りでは、今なお様々な偏見や差別事象が起きています。
「性自認」「性的指向」に関しても、多様な性に対する理解の欠如から、偏見や差別が発生することがあります。
自認している性が戸籍と同じまたは異なる場合や、恋愛の対象が異性の場合、同性の場合、または両性を好きになる場合など、人によってそれぞれです。
障害の有無や、出身・宗教・性自認・性的指向・見地の違いなどを理由とする差別や偏見はあってはならないことです。
いかなる種類の差別もなくし、多様性を認め合い、互いに支え合う社会をめざしていきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2018年9月1日号
一人ひとりの人格が尊重され、誰もが安心して暮らせる社会になるように!
私たちの社会には、先天的または事故および病気等による後天的な理由で、人目に触れる部分に生じた特徴的な目立つ症状によって、様々な社会的困難を抱える方がいます。
その症状を起因として偏見や差別を受けるなど、生きていく上で深刻な問題となっているケースも少なくありません。
こうした「見た目問題」は、心理学、社会学、社会問題に関する事象等、様々な分野でまだ研究途中で、「見た目問題」を定義する言葉は確立されていません。また、日本における当事者の正確な人数も判明していませんが、海外の統計などから、およそ80万人から100万人の方がいると推定されています。
墨田区議会では、平成30年第2回定例会において提出された「見た目問題」に関する陳情を採択し、国会と政府に対し、実態把握とその結果を踏まえた施策を検討するよう意見書を提出しました。
一人ひとりの人格が尊重され、誰もが自分らしく安心して暮らせるよう、そして、個性を認め合い支え合う社会となるよう、区でも取組を進めていきます。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2018年6月1日号
多様性を認め合い共生社会を育むまち「すみだ」
世界人権宣言70周年!
平成30年は国際連合で「世界人権宣言」が採択されてから70年の節目の年です。人権尊重の大切さを、改めて考えてみましょう。
世界人権宣言(一部抜粋)
【第一条】すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。人間は、理性と良心とを授けられており、互いに同胞の精神をもって行動しなければならない。
【第二条】1項 すべて人は、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上その他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地その他の地位又はこれに類するいかなる事由による差別をも受けることなく、この宣言に掲げるすべての権利と自由とを享有することができる。
墨田区がオリンピックの舞台に!
両国の国技館(横網一丁目3番28号)が東京2020オリンピック競技大会でボクシングの会場になる予定です。オリンピック憲章には、オリンピズムの根本原則として、人権尊重の理念がうたわれています。
東京大会の開催を契機に私たち一人ひとりが、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、互いに認め合い支え合う社会を作っていくことが必要です。
互いの人権を尊重し合い、共生社会にふさわしい人権感覚を育んでいきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2018年2月11日号
一人ひとりの個性を尊重し多様性を認め合おう
LGBT/SOGIという言葉をご存じでしょうか。
Lはレズビアン(女性として女性が好きな人)、Gはゲイ(男性として男性が好きな人)、Bはバイセクシュアル(性別に関わらず恋愛対象になる人)、Tはトランスジェンダー(身体的な性別と自認する性が一致しない人)です。また、SOはセクシュアルオリエンテーション(性的指向)、GIはジェンダーアイデンティティ(性自認)のことです。性的指向とは、“どの性別が恋愛対象になるか”を表し、同性を好きになる人(ゲイ・レズビアン)、男女の両方を好きになる人(バイセクシュアル)などが含まれます。また、性自認とは、“自分をどんな性別だと思うか”を表し、身体と心の性が一致しない人(トランスジェンダー)や、男女のどちらでもないと思う人もいます。
身体の性とは異なる性別で生活を送っている人、あるいは送りたいと思っている人たちは、望む性別での対応を受けないことにより、ストレスや苦痛を感じています。偏見の目で見られ、差別的な扱いを受けることもあります。性のありようは十人十色であるため、自分も含めた性の多様性を尊重し合うことが必要です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2017年9月11日号
未来へつなげよう、違いを認め合う心
昭和23年12月10日、国際連合は、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ尊厳と権利とについて平等である」とうたった世界人権宣言を採択しました。
しかし、今もなお、わが国固有の重大な人権問題である、同和地区(被差別部落)の人々に対する偏見をはじめとし、子どもや高齢者への虐待、障害のある方への無理解、路上生活者に対する暴力、さらに、差別的落書きが後を絶たないなど、基本的人権が侵害される様々な問題が起きています。
3年後の東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を機に、改めて私たち一人ひとりが人権意識を高め、互いの個性を尊重し合う行動が求められています。
共生社会にふさわしい、差別や偏見のない社会を築き上げていくために、私たち一人ひとりが人権感覚を育み、違いを認め合う心を未来につなげていきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2017年6月1日号
多様性を認め合い、共生社会を育むまち「すみだ」へ
東京スカイツリー(R)の開業や、すみだ北斎美術館の開館などをきっかけに、墨田区には国内外から多くの方が訪れています。また、墨田区の住民基本台帳に基づく外国人住民数は、平成29年4月1日現在1万1,530人で、区民のおよそ23人に1人が外国人となっています。
このような中では、私たち一人ひとりが外国の文化や多様性を積極的に受け入れ、互いに理解し合い、ともに助け合っていくことが大切です。しかしながら、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的な言動が「ヘイトスピーチ」として社会的問題となっているほか、思想・慣習の違いによるいさかいなど、無理解や思い込みからくる、様々な差別や偏見が後を絶ちません。
2020年には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、より多くの外国人が墨田区を訪れます。これを機に、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教などを理由とした、あらゆる種類の差別をなくし、互いに認め合い、支え合う社会を、私たち一人ひとりが作っていくことが必要です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2017年2月1日号
人権問題について考えてみましょう
路上生活者への偏見をなくしましょう
失業や家庭問題など様々な事情により、自立の意思がありながら、特定の住居を持たずに野宿生活を余儀なくされている路上生活者(ホームレス)がいます。路上生活者の中には適切な医療を受けられず、十分な食事をとることができないなど、憲法で保障された健康で文化的な生活を送ることができない人もいます。こうした路上生活者と地域社会との間にあつれきが生じ、偏見や差別の対象となることも少なくなく、路上生活者への嫌がらせや暴力事件などの人権侵害も発生しています。
路上生活者の置かれている状況や自立支援の必要性について理解を深め、路上生活者に対する偏見や差別をなくし、社会的に弱い立場にいる人を支えていくことが大切です。
同和問題の解決のために
同和問題とは、封建時代の身分制度や歴史的・社会的に形成された人々の意識に起因する差別が、今なお様々な形で現れている重大な人権問題です。現在でも、結婚・就職での差別や、インターネット上での差別的な書き込みが後を絶ちません。
このような差別をなくすためには、私たち一人ひとりが、まず同和問題を理解し、差別したり、見逃したりすることのないよう考えていくことが大切です。
平成28年12月9日に「部落差別の解消の推進に関する法律」が成立し、同年12月16日に施行されました。部落差別のない社会を実現するため国や地方公共団体の責務が明記されています。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2016年9月1日号
犯罪被害者とその家族の人権 “興味本位が人を傷つけます”
皆さんは、ある日突然、何の落ち度もないのに犯罪の被害に遭ったらどうしますか。
犯罪被害者とその家族は、生命を奪われる、けがを負わされる、財産を失うなどの直接的な被害を受けるだけでなく、事件後に生じる二次的被害といわれる様々な問題に苦しめられます。具体的には、被害に遭ったことによる身体の不調、捜査・裁判に関わることによる精神的・時間的負担、周囲の心ないうわさや中傷、マスメディアの無理解な対応や過剰な報道によるプライバシーの侵害等です。また、生計者を失うことで収入が少なくなり、生活が苦しくなった遺族もいます。
平成26年度に実施した「墨田区人権に関する意識調査」によると、犯罪被害者やその家族の人権侵害としては、「メディアの過剰な取材などによる私生活の平穏やプライバシーの侵害があること」が57.6パーセントで最も高くなっています。私たちは、誰もが犯罪被害者となる可能性があります。犯罪被害者等は地域社会で、配慮され、支えられてこそ、再び平穏な生活を取り戻せるようになります。犯罪被害者とその家族の置かれている状況や気持ちを理解し、支援することが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2016年6月1日号
人権を尊重し、女性も男性もともに活躍できるまち「すみだ」をめざして
区では、平成14年に「墨田区人権啓発基本計画」(23年4月改正、28年3月中間見直し)を策定し、人権が尊重され、すべての区民が心豊かに安心して暮らせるまちの実現に向けた取組を進めています。
また、26年に「墨田区男女共同参画推進プラン(第4次)」を策定し、
- 人権が尊重されるまちすみだ
- その人らしく働き、暮らせるまちすみだ
- 男女共同参画の推進で元気なまちすみだ
- 地域に根ざした計画を推進するすみだ
を基本目標として、男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでいます。
今年度は、人権啓発冊子「人権感覚」の発行や、「墨田区女性と男性の共同参画基本条例制定10周年記念事業」(川柳大会および講演会)をはじめとして、人権啓発の推進と男女共同参画推進事業の充実を図っていきます。
人権を尊重し、女性も男性もともに活躍できるまち「すみだ」の実現に向け、区民の皆さんと区が協働で取り組んでいきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2016年2月21日号
いまだに残る差別意識の解消に向けて
同和問題(部落問題)とは、封建時代の身分制度や歴史的・社会的に形成された人々の意識に起因する差別が、さまざまな形で現れている重大な人権問題です。
同和問題については、昭和40年、国が同和対策審議会から答申を受け、「同和問題を深刻な人権侵害ととらえ、その早急な解決は国の責務であり、同時に国民的課題である」という考え方を示しました。この答申を具現化するため、国は昭和44年に「同和対策事業特別措置法」を制定し、その後もこの法律を延長したり、新しい法律を定めたりして、生活環境の改善や、同和問題についての理解と認識を深めるための施策に取り組んできました。平成14年に特別法が失効した後も、国は「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」を制定し、これに基づき策定した人権教育・人権啓発に関する基本計画により、施策を積極的に推進してきました。
区においても、平成14年に「墨田区人権啓発基本計画」を策定(平成23年改定)し、同和問題を重要な人権課題の一つとして、差別や偏見等の解消に取り組んでいます。
しかし、同和地区出身者の身元調査を目的とした戸籍謄本等の不正取得や、自宅などに誹ひ謗ぼう・中傷・脅迫する差別的な内容のはがきを送りつける事件が起きています。最近では、駅や公園等の公共施設で差別的な落書きや貼り紙が見つかりました。さらに、インターネットを利用した差別的な書き込みも後を絶たず、中には、掲示板への書き込みだけではなく、差別的なコメントを添えた風景画像を掲載する個人ホームページも見つかりました。
これらの行為は、重大な人権侵害であり、そのままにしておくと差別意識を拡大させるおそれがあります。私たち一人ひとりが同和問題を理解し、差別につながるこうした行為を決して行わないこと、見逃さないことが、お互いを思いやり、人権を尊重する社会を築いていくために重要です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2015年9月21日号
外国人の人権“お互いを認め合いましょう”
近年、日本を訪問する外国人旅行客が増えています。日本政府観光局(JNTO)の発表によると、平成27年上半期(1月から6月まで)に日本を訪れた外国人旅行客数は914万人に達し、これまでの最高であった26年上半期の数を288万人余り上回りました。また、区内に目を向けると、27年9月1日現在、区民の約25人に1人が外国人となっています。
このように、外国人が訪れ、あるいは身近に生活していることが一般的になるなど国際化が進む一方で、言語・文化・習慣等の違いから生じる誤解や偏見などにより、外国人に対する人権問題が発生しています。例えば、外国人という理由だけで、アパート・マンションへの入居や、商店などへの入店を断ったり、就労に関して不合理な扱いをしたりということが起こっています。また最近では、特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動が、いわゆるヘイトスピーチとして社会的問題となっています。
こうした差別や言動は、外国人に不安感や嫌悪感を抱かせたり、人としての尊厳を傷つけたりするだけでなく、新たな差別意識を生むことになりかねません。もし、自分が外国で生活していて、外国人というだけで不合理な扱いを受けたら、どう感じるでしょうか。身近に住む外国人も、私たちと同じ地域社会の一員です。国籍や人種などで判断するのではなく、「その人自身」を知ろうとする努力が大切です。
21世紀は、国という枠を越え、世界中の人々がお互いにより良い関係を築き、地球市民として生きていくことが求められています。5年後の2020年には、東京オリンピック・パラリンピックも開催されます。私たち一人ひとりが「おもてなし」の心を持ち、国籍や人種などの違いを越えて人間として尊重し合い、お互いに理解を深めていくことで、全ての人が暮らしやすいまちになっていくのではないでしょうか。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2015年6月21日号
6月23日(火曜日)から29日(月曜日)までは「男女共同参画週間」です
女性と男性が、互いに人権を尊重して責任を分かち合い、性別に関わりなく個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の形成に向け、平成11年6月23日に「男女共同参画社会基本法」が施行されました。この法律の目的等についての理解を深めるため、国は毎年6月23日から29日までを「男女共同参画週間」と定めています。
区では「墨田区男女共同参画推進プラン(第4次)」を策定し、このプランに基づき男女共同参画社会の実現に向けた施策を行っています。
平成2年には、男女共同参画を推進する拠点施設として、すみだ女性センター(押上二丁目12番7号111号室)を開館し、今年25周年を迎えました。同センターは、当時、各分野で活躍していた女性が委員となった諮問機関から、女性の自立や社会進出を促進するための施設の必要性が提言されたことをきっかけに設置されました。開館当初から区民の方が積極的に運営に関わっており、協治(ガバナンス)の先駆けとなった施設です。
現在も、運営委員・協力委員といった区民委員を中心に活発な活動が行われています。また、団体活動の場としての会議室等の貸出し、男女共同参画に関する資料の収集・貸出し、専門のカウンセラーによる「女性のためのカウンセリング&DV相談」も行っています。さらに、男女ともに学べる「すずかけ大学」のほか、働く女性や中高年男性向けの講座、イクメン講座、女性の防災行動力向上講座など、男女共同参画を推進するために様々な講座を開催しています。今年は「すずかけまつり」をはじめ、年間を通じて25周年記念事業を展開する予定です。その都度、本紙や区ホームページ等でお知らせしますので、ぜひご参加ください。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2015年3月21日号
いまだに残る差別意識の解消に向けて
同和問題(部落問題)とは、かつてあった身分制度や歴史的・社会的に形成された人びとの意識に起因する差別が、さまざまな形で現れている日本固有の人権問題です。
この同和問題については、昭和40年、国が同和対策審議会から答申を受け、「同和問題を深刻な人権侵害ととらえ、その早急な解決は国の責務であり、同時に国民的課題である」という考え方を示しました。この答申を具現化するため、国は昭和44年に同和対策事業特別措置法を制定し、その後も法律を延長したり、新たに法律を定めたりして、生活環境の改善や、同和問題の理解と認識を深めるための施策に取り組んできました。平成14年に法律が失効した後も、法律によらず、必要とされる施策を適宜適切に実施していくことになりました。区においても、同和問題の解決を人権施策の主要課題として「墨田区人権啓発基本計画」に基づき、差別や偏見等の解消に取り組んでいます。また、墨田区基本計画の目標である「平和を希求し、人権を尊重するまちをつくる」ことを実現するために、人権教育・普及啓発活動を積極的に進めています。
しかし、現在もなお、同和地区(被差別部落)の出身という理由で差別を受け、基本的人権を侵害されている人々がいます。平成15年には、同和地区出身者の自宅等に、誹謗(ひぼう)、中傷、脅迫する内容の差別はがきが郵送される事件がありました。また、最近でも駅や公園などの公共施設で同和地区出身者に対する差別的な落書きや貼り紙が見つかりました。さらに、インターネットを使った差別的な書き込みも後を絶ちません。中には、掲示板への書き込みだけではなく、差別的なコメントを添えた風景画像を掲載する個人ホームページも見つかりました。
これらの行為は、同和地区出身の人々を傷つけ、生活を脅かすばかりではなく、そのままにしておくと差別意識を拡大させるおそれがあります。このような行為は決して許されるものではありません。こうした差別につながる行為を自ら行わないこと、見逃さないことが、お互いを思いやり、人権を尊重する社会を築いていくために大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2014年9月21日号
外国人の人権“お互いを認め合いましょう”
2020年のオリンピック・パラリンピックが東京で開催されることになり、日本を訪問する外国人旅行客は、ますます増えていくことが見込まれます。日本政府観光局(JNTO)の発表によると、平成26年7月中に日本を訪れた外国人旅行客数は126万9,700人となっており、前年同月と比べ26.6%増加しました。また、区内に目を向けると、26年9月1日現在、区民の約26人中1人にあたる9,567人の在留外国人が区民として生活をしています。
このように、外国人が訪れ、あるいは身近に生活していることが、ごく普通の社会になってきています。しかし、私たちは外国人に対し、肌の色や言葉、文化、宗教、生活習慣が違うというだけで、気付かないうちに偏見や先入観を持って接していることはないでしょうか。
例えば、外国人という理由だけで、アパート・マンションへの入居や、商店などへの入店を断ったり、就労に関して不合理な扱いをしたりする、ということが実際に起こっています。最近では、「ジャパニーズ オンリー」という英語が掲げられたことで、人権問題であると国内外のメディアに取り上げられたことも記憶に新しいところです。さらに、在日韓国・朝鮮の人などに対しての嫌がらせや、過激な言葉で罵るような行為も社会問題となっています。
こうした差別や閉鎖的な態度は、外国人の人権を傷つけることになります。もし、自分が海外で外国人というだけで不合理な扱いを受けたら、どのように感じるでしょうか。私たちの考え方や習慣を一方的に押し付けたり、国籍や人種等だけで判断したりするのではなく、「その人自身」を知ろうとする努力が大切です。
私たち一人ひとりが外国人のもつ文化や多様性を積極的に受け入れ、お互いに理解し合い、ともに助け合っていくことで、全ての人が暮らしやすいまちになっていくのではないでしょうか。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2014年6月21日号
6月23日(月曜日)から29日(日曜日)は「男女共同参画週間」です
女性と男性が、互いに人権を尊重して責任を分かち合い、性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の形成に向けて、平成11年6月23日に「男女共同参画社会基本法」が施行されました。この法律の目的や基本理念に関する皆さんの理解を深めるために毎年6月23日から29日までを「男女共同参画週間」と定めています。
25年に国が示した日本再興戦略では、経済再生に向けた成長戦略の中核として、女性の活躍を促進するための施策を盛り込んでいます。区においても、「墨田区男女共同参画推進プラン(第4次)」を策定し、区政やまちづくりに関する意思決定過程への女性の参加を促進するために、区の審議会等における女性委員の割合を、30年度までに30%とすることを目標としています。
また、「すみだ女性センター」(押上二丁目12番7号111号室)を男女共同参画社会の実現に向けた拠点施設と位置付け、講演会の開催、団体活動の支援等を通じ、企画や方針決定の過程における男女共同参画の促進に取り組んでいます。さらに、同センターでは予約制による「女性のためのカウンセリング&DV相談」を実施し、女性が持つ様々な悩みや配偶者・恋人からの暴力等について、専門のカウンセラーが無料で相談に応じています。
今後も区では、こうした施策を中心に、男女共同参画社会の実現に向けた取組を推進していきます。皆さんも「男女共同参画週間」をきっかけに、男女のパートナーシップについて考えてみませんか。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2014年3月21日号
インターネットの利用にも「マナー」があります
インターネットは、情報の収集や発信、コミュニケーションの手段として、私たちの生活を飛躍的に便利にしています。特に近年では、携帯電話などの普及に伴い、子どもたちにとっても身近なものになっています。
一方、インターネット上では、特定の個人を対象とした誹謗・中傷や差別的な表現の書き込み、個人情報の掲載などによるプライバシーの侵害、保護者の知らない非公式サイトでのいじめなどが社会的な問題となっています。名前や顔を知られずに情報を発信することができるため、現実の世界よりも人権を軽視しがちであると言えます。その上、こうした情報が一瞬にして大勢の人に伝わってしまうため、取り返しのつかない事態となってしまうこともあります。
例えば、掲示板に人権を無視した情報を書き込まれた側は、周囲の人から誤解されたり、見ず知らずの人から頻繁に電話がかかってきたりするなど、日常生活に支障をきたしかねません。さらには、精神的に傷つき、職場や学校へ行けなくなったり、体の不調を訴えたり、自殺へとつながることもあります。
また、書き込みをした側も、掲示されている内容が悪質な場合は、民事上の責任(損害賠償責任)、刑事上の責任(名誉毀損罪や侮辱罪等)を問われることがあります。
このようなインターネット上の人権侵害への対応として、平成14年5月に「プロバイダ責任制限法」が施行されました。万が一、インターネット上で、プライバシーの侵害や、差別的書き込みなどの人権侵害を受けた場合には、情報の発信者や情報を掲載しているウェブページ等の管理人、プロバイダなどに、記事の削除要請や発信者情報の開示請求をすることができます。要請や請求を行う場合には、証拠として保存したウェブページ等の内容を添付して、管理人やプロバイダ等にメールで連絡してください。
インターネットを利用する場合、
- 差別的な発言や誹謗・中傷を書き込まない
- うそや不確かなことは書き込まない
- 個人情報は書き込まない
など、他人の人権を尊重することが必要です。マナーを守り、インターネットを有効に活用していきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2013年9月11日号
ホームレスの人への偏見や差別をなくしましょう
近年の厳しい雇用環境や、家庭・地域におけるつながりの希薄化などを背景として、河川敷や公園、路上、駅周辺などで野宿生活をしている人がいます。そのようなホームレスの人に対して私たちは、「好きで野宿している」、「怠け者だ」、「努力が足りない」といった意識で見てはいないでしょうか。
ホームレスの人が野宿生活に至るのには、人によって様々な理由があります。日雇い労働に長年就いてきた人たちが、高齢化によって失業したり、会社の倒産などによって仕事が減少したりするなど、経済的な原因によるものが多数を占めていますが、健康上の問題や、家庭内の問題など、複数の原因が絡み合っているケースも少なくありません。
そこで国は、平成14年8月に、国や地方自治体の責務などを定めた「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」を制定(10年間の時限立法で施行され、29年8月まで5年間延長)しました。そして、この法律に基づき、15年7月には「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」が策定(20年7月に改定)され、就職機会や居住場所の確保など、ホームレスの人の自立支援等に関して国が取り組むべき基本的な方針が示されました。
今年1月の厚生労働省による「ホームレスの実態に関する全国調査」によれば、東京23区内のホームレス数は、昨年の2,134人から347人減少して、1,787人になったことが分かりました。しかし、自立の意思がありながらも、やむを得ない理由でホームレスになり、健康で文化的な生活を営むことができない人々がいまだに多数存在しています。また、ホームレスの人に対する理解が十分でないことなどもあり、様々なストレスのはけ口等として、ホームレスの人が嫌がらせや暴行を受け、命を落とすといった事件も起きています。このようなホームレスの人に対する偏見や差別は、社会からの疎外感を増幅させ、自立への意欲を失わせてしまう要因にもなっています。
偏見や差別をなくすためには、生活の場を失うという事態が自分にも起こるかもしれないことを忘れずに、私たち一人ひとりが、ホームレスに関することを社会全体の問題として考え、社会的に弱い立場にいる人を支えていくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2013年6月21日号
6月23日(日曜日)から29日(土曜日)までは「男女共同参画週間」です
女性と男性が、性別により差別されることなく、互いに人権を尊重し、ともに責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現に向けて、平成11年6月23日に「男女共同参画社会基本法」が施行されました。この法律の目的や基本理念に関する皆さんの理解を深めるため、毎年6月23日から29日までを「男女共同参画週間」と定めています。
近年、価値観の多様化や家族構成の変化により、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現が求められています。イクメン・カジダンと呼ばれる育児や家事への参加が積極的な男性が増え、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」といった性別役割分担の意識は変化しつつありますが、男女ともに多様な生き方を選択できるよう、働く環境のさらなる改善が必要です。区では、21年に策定した「墨田区男女共同参画推進プラン」に基づき、ワーク・ライフ・バランスのさらなる改善に向けた普及・啓発活動を行っています。
また、「すみだ女性センター」(押上二丁目12番7号111号室)を男女共同参画社会の実現に向けた拠点施設と位置付け、意識の啓発や人材の育成、講演会の開催、団体活動の支援等を通じ、企画や方針決定の過程における男女共同参画の促進にも取り組んでいます。さらに、センターでは、「女性のためのカウンセリング&DV相談」(予約制)を実施し、専門のカウンセラーが無料で相談に応じています。
今後も区では、こうした施策を中心に、男女共同参画社会の実現に向けた取組を推進していきます。皆さんも「男女共同参画週間」をきっかけに、男女のパートナーシップについて考えてみませんか。
「イクメン・カジダン投稿写真」の募集
区では、皆さんのまわりにいる素敵なイクメン・カジダンの写真を、随時、募集しています。応募写真は、選考のうえ、区が年2回(10月・3月)発行している男女共同参画情報誌「にじ」に掲載します。家族の素敵な思い出を誌面に載せてみませんか。
応募方法等、詳しくはお問い合わせいただくか、区ホームページをご覧ください。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2013年3月21日号
パワーハラスメントのない良好な職場をつくりましょう
パワーハラスメント(パワハラ)とは、「職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景として、本来の業務の適正な範囲を超え、継続的に精神的・身体的苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたり、雇用不安を与えたりする行為」のことです。近年、経済環境の悪化に伴うリストラや、業務の負担・職務上のストレスの増加、職場内のコミュニケーション不足などを背景として、こうしたパワーハラスメントによる被害が増加しています。
平成23年度に、全国の労働局に寄せられた「職場のいじめ・嫌がらせ」の相談件数は約4万6,000件に達し、14年の約6,600件から7倍近くまで増加しています。また24年に厚生労働省が実施した調査によると、民間企業で働く4人に1人が職場でパワーハラスメントを受けた経験があることが分かりました。
こうした嫌がらせ行為の増加を受け、厚生労働省では、昨年3月に「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を公表しました。この提言の中でパワーハラスメントを、
- 暴行や傷害などの“身体的な攻撃”
- 脅迫や名誉毀損、暴言などの“精神的な攻撃”
- 仲間外しや無視などの“人間関係からの切り離し”
- 業務上不要なことや遂行不可能なことの強制などの“過大な要求”
- 仕事を与えないなどの“過小な要求”
- 私的なことに過度に立ち入る“個の侵害”
の6種類に分類し、上司から部下へだけでなく、同僚間や、部下から上司へのいじめ・嫌がらせもパワーハラスメントであると定義しました。
職場でのパワーハラスメントは、相手の尊厳や人格を傷つけ、ときには、心身の健康や命さえも危険にさらすことになります。また、職場環境を悪化させることにもつながります。こうした行為を防止するためには、企業による取組はもちろん、誰もがパワーハラスメントの当事者になり得ることを忘れずに、一人ひとりがお互いの価値観の違いなどを認め、人格を尊重し合い、良好な人間関係を築くことが大切です。
もうすぐ4月です。就職や人事異動等で新しく職場に来た方を温かく迎え、誰もが気持ちよく働ける職場をつくりましょう。なお、パワーハラスメントに関する相談は、全国の労働局、労働基準監督署等の総合労働相談コーナーで受け付けています。お気軽にご相談ください。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2012年9月21日号
ホームレスの人への偏見や差別をなくしましょう
近年の厳しい雇用環境や、家庭・地域におけるつながりの希薄化などを背景として、河川敷や公園、路上、駅周辺等で野宿生活をしているホームレスの人がいます。そのようなホームレスの人を、私たちは、「逃げている」「甘えている」「努力が足りない」という意識で見ていないでしょうか。
ホームレスの人が野宿生活に至るのには、人によって様々な理由があります。日雇い労働に長年就いてきた人たちが高齢化によって失業したり、会社の倒産等によって仕事が減少したりするなど、経済的な原因によるものが多数を占めていますが、健康上の問題や、家庭内の問題など、複数の原因が絡み合っているケースも少なくありません。また、平成24年1月に厚生労働省が実施した「ホームレスの実態に関する全国調査」では、野宿生活に至った理由として、34%の人が「仕事が減った」を、27.1%の人が「倒産や失業」を、19.8%の人が「病気やけが・高齢で仕事ができなくなった」を挙げるなど、本人の意思だけでは解決しづらい事情が原因であることが明らかになっています。
ホームレスに関する問題について国は、14年8月に、国や地方自治体の責務などを定めた「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」を制定(10年間の時限立法で施行され、29年8月まで5年間延長)しました。そして、この法律に基づき、15年7月には「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」が策定(20年7月に改定)され、就職機会や居住場所の確保など、ホームレスの人の自立支援等に関して国が取り組むべき基本的な方針が示されました。
しかし、自立の意思がありながら、やむを得ない事情でホームレスになり、健康で文化的な生活を営むことができない人々がいまだに多数存在しています。また、様々なストレスのはけ口として、ホームレスの人が嫌がらせや暴行を受け、命を落とすといった事件も起きています。ホームレスの人たちに対する偏見や差別は、社会からの疎外感を増幅させ、自立への意欲を失わせてしまう要因にもなっています。
偏見や差別をなくすためには、生活の場を失うという事態が自分にも起こるかもしれないことを忘れずに、一人ひとりが、ホームレスの問題を社会全体の問題として考え、社会的に弱い立場にいる人を支えていくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2012年6月21日号
6月23日(土曜日)から29日(金曜日)までは「男女共同参画週間」です
女性と男性が、性別により差別されることなく、互いに人権を尊重し、ともに責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮できる「男女共同参画社会」の実現に向け、平成11年6月23日、「男女共同参画社会基本法」が施行されました。この法律の目的や基本理念に関する皆さんの理解を深めることを目的として、毎年6月23日から29日までは「男女共同参画週間」と定められています。
近年、価値観の多様化や家族構成の変化により、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を図りながら暮らしたいと考える人が増えています。一方、男性の仕事を優先する働き方や、女性の出産・育児を機とした離職など、理想と現実のギャップも指摘されています。ワーク・ライフ・バランスが実現した社会とは、誰もが子育て期や中高年期といった人生の各段階に応じて、多様で柔軟な生き方を選択・実現できる社会のことです。このような社会の実現に向けては、女性が職場で力を発揮したり、男性が育児・介護・地域活動で活躍したりするなど、男女がともに多様な生き方ができるよう、働き方を見直す必要があります。また、職場環境や制度を整備することで、企業にとっては、優秀な人材の確保といった経営戦略上の効果が期待できるでしょう。区では、21年に策定した「墨田区男女共同参画推進プラン」に基づき、ワーク・ライフ・バランス推進のための普及・啓発活動を行っています。
さらに、「すみだ女性センター」(押上二丁目12番7号111号室)を男女共同参画社会の実現に向けた拠点施設と位置付け、意識の啓発や人材の育成、講演会の開催、団体活動の支援等を通じ、企画や方針決定の過程における男女共同参画の促進に取り組んでいます。センターでは、予約制による「女性のためのカウンセリング&DV相談」を実施し、女性のもつ様々な悩みや、配偶者・恋人からの暴力等について、専門のカウンセラーが無料で相談に応じています。
今後も区では、こうした施策を中心に、区民の皆さんとの協働で、真の男女共同参画社会の実現に向け、取り組んでいきます。皆さんも「男女共同参画週間」をきっかけとして、男女のパートナーシップについて考えてみませんか。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2012年3月21日号
犯罪被害者とその家族の人権
近年、「相手は誰でもよかった」などという無差別な犯罪が報道されているのを耳にするようになりました。皆さんは、ある日突然、犯罪の被害に遭ったらどうしますか。
犯罪被害者とその家族は、生命を奪われる、けがを負わされる、財産を失うなどの直接的な被害を受けるだけでなく、事件後に生じる“二次的被害”といわれる様々な問題にも苦しめられます。具体的には、被害に遭ったことによる身体の不調、捜査・裁判に関わることによる精神的・時間的負担、周囲の心ないうわさや中傷、マスメディアによる無理解な対応や過剰な報道によるプライバシーの侵害などです。また、生計者を失うことで収入が少なくなり、生活が苦しくなった遺族もいます。
このような事態を受け、国の犯罪被害者支援に関する諸施策は、昭和55年5月の「犯罪被害者等給付金支給法」公布を皮切りに、平成16年12月に「犯罪被害者等基本法」が公布され、23年3月には「第2次犯罪被害者等基本計画」が閣議決定されるなど、新たな段階に入りました。一方、内閣府が20年度に実施した「犯罪被害者等に関する国民意識調査」によると、国民のうち、「裁判員制度」の意味が分かる人は約8割であるのに対し、「犯罪被害者等基本法」や「被害者参加制度」の意味が分かる人は1割・2割しかおらず、犯罪被害者等の方々が置かれている状況について社会的関心は高くないという結果が出ています。
犯罪被害者やその家族は地域社会において、配慮され、支えられてこそ、再び平穏な生活を取り戻せるようになります。国・都・区・関係機関による各施策の推進とともに、皆さんが犯罪被害者やその家族の置かれている状況と気持ちを理解し、支援していくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2011年9月21日号
震災に伴う人権問題について考えてみましょう
今年3月に発生した東日本大震災では、マグニチュード9.0という巨大地震と、それに伴い発生した大津波により、多くの尊い人命が失われ、甚大な被害がもたらされました。
また、震災から半年が経過した現在でも、福島第一原子力発電所で発生した事故等の影響により、多くの方が避難を余儀なくされています。しかし、この事故による放射性物質への不安からか、被災された方々が避難先の学校でのいじめや、ホテルでの宿泊拒否などの差別的な扱いを受けているという報道がありました。家族を失ったり、生活環境が破壊されたりして、大きな悲しみや不安を抱えている被災者が、思い込みや偏見による差別を受けたらどんな気持ちになるでしょうか。
多くの場合、偏見は正しい理解と十分な知識がないところから生まれます。うわさや憶測を鵜呑みにせず、相手の気持ちを考え、思いやりや優しさを忘れずに接していくことが大切です。また、なかなか進展しない被災地の復旧・復興活動の中で、災害の影響を受けやすい障害者や高齢者などに対して、どんな配慮が必要か、皆さんも考えてみましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2011年6月21日号
6月23日(木曜日)から29日(水曜日)までは「男女共同参画週間」です
女性と男性が、性別により差別されることなく、互いに人権を尊重し、ともに責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮できる「男女共同参画社会」の実現に向け、平成11年6月23日、「男女共同参画社会基本法」が施行されました。この法律の目的や基本理念に関する皆さんの理解を深めることを目的として、毎年6月23日から29日までは「男女共同参画週間」と定められています。
人口の約半分、労働力人口の約4割を女性が占め、政治・経済・社会など多くの分野で活動しています。しかし、他の先進国と比較して日本では、指導的な立場を担う女性が少ないのが現状です。そこで、社会の様々な活動に参画する機会の格差を改善するため、必要な範囲において、女性に積極的な機会を提供する取組を「ポジティブ・アクション」(積極的改善措置)と呼び、この取組を企業や団体、地域社会などで推進していくことが求められています。
区が21年に策定した「墨田区男女共同参画推進プラン」では、区の審議会等委員における女性の割合を25年度までに50%とすることを定めていますが、今年4月の時点では、24%でした。男女平等の観点から行政を推進するために、男女構成比の偏りを是正していくことが緊急の課題です。
区では、「すみだ女性センター」(押上二丁目12番7号111号室)を男女共同参画社会の実現に向けた拠点施設と位置付け、意識の啓発や人材の育成、講演会の開催、団体活動の支援等を通じ、企画や方針決定の過程における男女共同参画の促進に取り組んでいます。また、センターでは、予約制による「女性のためのカウンセリング&DV相談」を実施し、女性のもつ様々な悩みや、配偶者・恋人からの暴力等について、専門のカウンセラーが無料で相談に応じています。
今後も区では、こうした施策を中心に、区民の皆さんとの協働で、真の男女共同参画社会の実現に向け、取り組んでいきます。皆さんも「男女共同参画週間」を機会に、男女のパートナーシップについて考えてみませんか。
すみだ区報 2011年3月21日号
新たな「墨田区人権啓発基本計画」を策定しました
21世紀は「人権の世紀」といわれていますが、10年が過ぎた今でも、世界各地で民族紛争や社会的差別などの様々な人権侵害があとを絶ちません。日本でも、児童や高齢者、障害者に対する虐待や、えん罪による人権侵害などが、連日のように報道されています。
このような中、区では、平成14年に「墨田区人権啓発基本計画」を策定し、“差別のない人権が尊重されるまちづくり”に取り組んできました。現在の計画が22年度までのため、この度、計画の見直しを行い、今後10年間の計画を新たに策定しました。
今回の策定に際しては、21年に実施した「墨田区人権に関する意識調査」の結果や、社会情勢の変化などを反映し、新たにインターネット上の人権問題や、企業における人権問題を取り上げています。
インターネット上の人権問題では、出会い系サイトや児童ポルノサイト等の犯罪に関係する内容などを、企業の人権問題では、「セクシャル・ハラスメント」や「パワー・ハラスメント(職務権限や地位を使って職務の適正な範囲を超えて精神的苦痛を与えること)」について触れています。
このほかにも、以前の計画で取り上げた同和問題や女性、子ども、高齢者、障害者、外国人、HIV感染者など、様々な人権問題を盛り込んでいます。
「墨田区人権啓発基本計画」では、すべての個人が自立した存在として、個々の幸福を最大限に追求することができる平和で豊かな社会の実現をめざし、区民一人ひとりが、自分の人権だけでなく、他人の人権についても正しく理解し、お互いを尊重し合う人権共存の考え方に立っています。
計画の内容は、4月から区ホームページに掲載するとともに、各図書館、区民情報コーナー(区役所1階)でも閲覧できますので、ぜひ、ご覧ください。
すみだ区報 2010年9月21日号
「墨田区人権に関する意識調査」を実施しました
区では、昨年度、区内在住で18歳以上の男女2,000人を対象に、「墨田区人権に関する意識調査」を実施しました。
今回の調査で関心の高かった人権問題は、「高齢者に関する問題」が51.4%と最も高く、以下、「プライバシーの侵害や個人情報流出の問題」(44.1%)、「インターネットを悪用した人権侵害の問題」(37.1%)と続いています。これらは、国が行った平成19年の調査でも同様に、関心のある項目として挙げられていました。
「高齢者の人権を守るために実施すべきこと」としては、「地域で安心して暮らせるよう在宅サービス等福祉施策を充実させる」が57.7%で最も高くなっています。必要なときに適切な支援が受けられる在宅サービス等の福祉施策を充実させ、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できる社会をつくることが求められているといえます。さらに、豊かな老後を過ごせるよう、経済的保障を充実させるとともに、働く意欲のある高齢者に対しては、経験や知識を活用できるような就労や活動の場を提供していくことが重要です。
また、「インターネットによる人権侵害を防ぐために必要なこと」としては、「違法な情報発信者に対する監視・取締りを強化する」が67.7%と最も高く、以下、「プロバイダに対し情報の停止・削除を求める」(50.8%)、「利用者やプロバイダ等に対して、教育・啓発活動を推進する」(23.1%)と続いています。インターネットは手軽で便利な反面、匿名で情報を発信できることから、他人の誹謗(ひぼう)中傷や、差別を助長する表現などの書き込みが後を絶ちません。インターネットに潜む危険性を十分認識し、モラルやルールを守った利用を心掛けることが必要です。
今回ご紹介した、「高齢者の人権問題」や「インターネットを悪用した人権侵害の問題」も含め、この調査の結果をまとめた「墨田区人権に関する意識調査(概要版)」を、人権同和・男女共同参画課(区役所12階)で配布しているほか、区ホームページからも閲覧できますので、ぜひ、ご覧ください。
すみだ区報 2010年6月21日号
6月23日(水曜日)から29日(火曜日)までは「男女共同参画週間」です
女性と男性が、性別により差別されることなく、互いにその人権を尊重し、ともに責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮できる「男女共同参画社会」の実現に向け、平成11年6月23日、「男女共同参画社会基本法」が施行されました。この法律の目的や基本理念に関する皆さんの理解を深めることを目的として、毎年6月23日から29日までは「男女共同参画週間」と定められています。
昨年11月に区が行った「墨田区人権に関する意識調査」によると、「教育における男女の地位の平等感」については、4人に3人が「平等」と考える一方で、「家庭生活や職場、しきたり、慣習等」については、すべての分野で「男性のほうが優遇されている」と答えた方が「女性のほうが優遇されている」と答えた方を上回りました。また、「女性に関して、人権上、問題があると思うこと」については、「職場での待遇の違い」を半数以上の方が挙げ、「男女の性別による固定的な意識」や「社会進出のための支援制度の不備」等も指摘されるなど、職場や家庭、地域で、男女間の不平等を感じている方の多いことがわかります。
区では、平成18年に制定した「墨田区女性と男性の共同参画基本条例」や、昨年、改定した「墨田区男女共同参画推進プラン」に基づき、様々な取組を進めています。中でも、男女共同参画社会の実現のための拠点施設「すみだ女性センター」(押上二丁目12番7号111号室)では、意識の啓発や情報の提供、講演会の開催、団体活動の支援等を積極的に行っています。また、センターでは、予約制による「女性のためのカウンセリング&DV相談」も実施し、女性のもつ様々な悩みや、配偶者・恋人からの暴力などについて、専門のカウンセラーが相談に応じています。
今後も区では、こうした施策を中心に、区民の皆さんとの協働で、真の男女共同参画社会の実現に向け、取り組んでいきます。皆さんも「男女共同参画週間」を機会に、身近な「男女共同参画」について考えてみませんか。
すみだ区報 2010年3月21日号
やめましょう!インターネットを悪用した人権侵害
インターネットは、情報の収集や発信、コミュニケーションの手段等に利用され、私たちの生活を快適で便利なものにしています。しかし、その一方で、プライバシーの侵害や、名誉の毀損、差別の助長につながる情報などがインターネット上に掲載されるといった問題が起きています。最近でも、特定地域に対して偏見や差別を助長する書き込みがインターネットの掲示板にありました。区から掲示板の管理者に対して要請を行い削除されましたが、削除される前にこの情報をコピーして他の掲示板に投稿されてしまうと、さらに被害が拡大することになってしまいます。
インターネットでは、匿名で情報を発信できるため、面と向かっては言えないような悪口などを平気で掲示板等に書き込むケースが後を絶ちません。書き込まれた内容は、誰でも簡単に閲覧できるため、すぐに広まってしまいます。事実無根の誹謗中傷、他人に知られたくない事実などが不特定多数の人々の目にさらされるだけでなく、そのような情報を書き込まれた人は、尊厳を傷つけられ、社会的評価をおとしめられるなど、回復困難なほど重大な損害を被ります。たとえ悪意がなくても、
- 他人を誹謗中傷するような情報を一方的に掲載する
- 事件や事故などの関係者のプライベートな情報を公開する
- 本人の許可なく住所や電話番号、メールアドレスなどを公開する
といった行為は、深刻な人権侵害につながります。万一、掲示板などの書き込みの中で、ご自分の人権が侵害された場合は、掲示板の管理者やプロバイダー等に情報の訂正・削除を要請しましょう。
インターネット上には、悪意のある書き込みや根拠のない噂なども氾濫しています。すべての情報をうのみにせず、ご自分の判断で適切な情報収集を心がけるとともに、自らの発言に責任を持つ必要があります。私たち一人ひとりが人権意識を高め、お互いの人権が尊重される社会を実現していきましょう。
すみだ区報 2009年9月21日号
女性の人権と男女共同参画 「自分らしく生きるために」
男女共同参画社会の実現を総合的かつ計画的に進めていくことを目的とした「男女共同参画社会基本法」が施行されてから、今年で10年が過ぎました。これまでに、この法律に関連する制度等の充実が図られてきましたが、依然として職場をはじめ家庭、地域社会等での女性に対する差別や性別による役割分担についての偏見などが問題となっています。また、配偶者・恋人からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)や職場等におけるセクシュアル・ハラスメント、性犯罪などの「女性に対する暴力」も後を絶たず、これらは女性の人権を脅かす重大な事件として見逃すことができません。
このような背景の中、区では、平成18年に制定した「墨田区女性と男性の共同参画基本条例」や今年3月に改定した「墨田区男女共同参画推進プラン」を基として、あらゆる分野に男女共同参画の考え方を反映させた “真の男女共同参画社会”の実現に向け、様々な取組を進めています。さらに、男女共同参画社会実現のための拠点施設である「すみだ女性センター」(押上二丁目12番7号111号室)でも、男性と女性がともに協力して男女共同参画を進めていけるよう、意識の啓発や情報の提供、講座・講演会の開催、団体活動の支援等を積極的に行っています。すみだ女性センターでは、ほかにも、予約制による「女性のためのカウンセリング&DV相談」を実施し、女性のもつ様々な悩みや配偶者・恋人からの暴力などについて、専門のカウンセラーが相談を受け付けています。今後も区では、このような施策を中心に、区民の皆さんや地域、民間団体等との協働により、性別にとらわれず、自分らしく生きることのできる男女共同参画社会の実現をめざしていきます。
すみだ区報 2009年6月21日号
いまだに残る差別意識の解消に向けて
21世紀は「人権の世紀」と言われ、平和と人権を尊重する社会が求められています。
これは、2度の世界大戦で、多くの人々の生命や生活を奪った深刻な人権侵害を二度とおこさないという決意に基づいています。
しかし、現在においても私たちのまわりには、差別や人権侵害が存在します。
昨年も、近隣の清掃工場で、同和地区出身者や清掃業務に携わる方の人権を否定する極めて悪質な内容の差別落書きが発見されました。また、差別はがき事件やインターネットによる差別書込み事件など、いまだに差別事象が後を絶ちません。
このような差別や人権侵害の中に日本固有の人権問題である同和問題があります。同和問題とは、封建社会の身分制度や歴史的・社会的に形成された人々の意識に起因する差別が、さまざまな形となって現れている人権問題です。
同和問題については、昭和40年、同和対策審議会から答申を受けた国が、「同和問題を深刻な人権侵害ととらえ、その早急な解決は国の責務であり、同時に国民的課題である」という考え方を示しました。この答申を具現化するために、昭和44年に同和対策事業特別措置法が制定され、その後も国は、法律を延長したり、新しい法律を定めたりして、生活環境の改善や同和問題の理解と認識を深めるための施策に取り組んできましたが、平成14年の法律失効後は、法律によらずに必要とされる施策を適宜適切に実施していくことになりました。
区においても、同和問題の解決を人権施策の主要課題として「墨田区人権啓発基本計画」に基づき、差別や偏見等の解消に取り組んでいます。また、墨田区基本計画の目標である「平和を希求し、人権を尊重するまちをつくる」ことを実現するために、人権教育・普及啓発活動を積極的に進めています。区民の皆さんも様々な視点で人権問題をとらえ、自分自身の人権意識を高めていただきたいと思います。
すみだ区報 2009年3月21日号
犯罪被害者やその家族への理解と支援を
ある日突然、自分や家族が、犯罪被害を受けることなど、考えたこともないのではないでしょうか。しかし、昨年6月の秋葉原での無差別通り魔事件のように、最近、犯人とは無関係な人が命を奪われたり怪我を負わされたりする事件が頻繁に起きています。つまり、私たちの誰もが犯罪被害者になり得る可能性があるのです。
犯罪被害者やその家族は、犯罪の種類によって
- 命を奪われる
- 怪我を負わされる
- 財産を奪われる
- 家族を失う
など、様々な被害を受けます。しかも、犯罪被害者やその家族が受ける被害はこれらだけではなく、被害後に生じる“二次被害”に苦しめられているケースも少なくありません。二次被害とは、
- 被害に遭ったことによる精神的苦痛や身体の不調
- 捜査・裁判の過程での精神的・時間的負担
- 「落ち度があったから被害に遭った」というような周囲の人々の心ない噂や中傷
- マスメディアの報道によるプライバシーの侵害
などで、被害者やその家族によって状況は異なります。また、生計者を失うことで収入が減少し、生活が苦しくなった遺族もいます。
最近では、このような深刻な状況に対する社会的な認識の高まりに伴い、関係団体等による支援活動も行われ始めています。一方、国では、平成17年に「犯罪被害者等基本計画」を策定し、具体的な施策の取組を行っています。さらに都でも、「東京都犯罪被害者等支援推進計画」を定め、各区や民間団体等と連携して、犯罪被害者の方々の様々な要望に応えることで、再び平穏な生活が取り戻せるよう支援を進めています。
犯罪被害者が、多くの困難を乗り越え、平穏な日々を過ごせるようになるには長い時間を必要とし、その間、今後自分はどうなるのか、何をすべきなのか、どのような支援策に頼ればいいのか、など大きな不安を抱えたままでいます。その不安を少しでも解消していくためには、私たちが犯罪被害者やその家族の置かれている状況と気持ちを理解し、支援していくことが大切なのではないでしょうか。
すみだ区報 2008年9月21日号
不正請求に対して「本人告知」をしています
私たちにとって身近な公的書類である「戸籍謄本等」や「住民票」を取得する際、本人からの請求でない場合、身分証明書等の提示が必要になるなど、申請手続が厳格になったことをご存知でしょうか。これは、昨年の戸籍法および住民基本台帳法の改正により交付請求制度が見直されたためです。
この背景には、結婚や就職の際の身元調査につながる戸籍謄本等を司法書士・行政書士等が不正に請求する事件や婚姻、養子縁組などを偽装する事件が相次いだこと、また、国民の個人情報を保護する考えの高まりがあります。
墨田区で、ここ数年に発生した全国規模の事件としては、平成17年に探偵・興信所からの依頼で、兵庫県の行政書士が戸籍謄本等を不正に請求したほか、19年に三重県の行政書士による同様の事例が挙げられます。さらに、今年も兵庫県の司法書士による不正請求事件が発覚しました。
不正請求の被害にあった方が、その事実を知る方法はなく、また、被害にあっていることさえ気付かないことがあります。そこで、区では、不正請求が判明した際は、その都度、被害にあった方に、その事実をお知らせしています。これを「本人告知」といいます。
身元や出身について調査することは、相手を深く傷つけるだけではなく、差別を助長し、人権の侵害につながります。
人権問題は、誰もが加害者となることもあれば、被害者になることもあります。人権について決して無関心にならず、自分にも関係があるものとして、一人ひとりの人権が尊重される社会をつくるための意識づくりや行動が大切です。
すみだ区報 2008年6月21日号
ご存知ですか?「すみだ人権啓発センター」
私たちは、多くの人とかかわり合いを持ちながら生きています。人権は、人と人とのつきあい方ともいわれています。私たち一人ひとりが自分らしく、そして、誰もが幸せに生きていくためには、何よりもお互いの個性を尊重し、認め合うことが大切です。
こうした考えを基本に、すべての人が幸せになる社会をめざし、平成17年4月に人権啓発活動を行うボランティア組織として「すみだ人権啓発センター」が誕生しました。会員は、人権擁護委員、民生・児童委員、男女共同参画推進委員、青少年育成委員、障害者施設職員、ボランティアグループ代表など28人で構成されています。
「すみだ人権啓発センター」は、幼児から高齢者まですべての区民の方を対象に、区や人権擁護委員が行う人権啓発事業を支援しています。また、地域の協力を得た独自イベントとして、「心をつなぐ綱引き大会」(17年度)、「母と子のコンサート」(18年度)、「ハンセン病の国立療養所“多磨全生園”の見学会」(19年度)を実施してきました。
また、今年は、世界人権宣言が国際連合で採択されてから60周年という節目の年にあたります。区では、この宣言がうたっている人権について皆さんに一層理解していただくため、すみだ人権啓発センター、人権擁護委員と協働で記念事業を行います。11月15日(土曜日)には、曳舟文化センターで「世界人権宣言60周年記念フォーラム」(仮称)を、12月4日(木曜日)から10日(水曜日)までの人権週間には、区役所1階アトリウムで「人権パネル展」の実施を予定しています。
すべての人が幸せに生きるためには、お互いをいたわり、思いやることが必要です。ぜひ、この記念事業に参加して私たちの身のまわりを「人権」という視点からもう一度考え直してみませんか。
すみだ区報 2008年3月21日号
人権って何だろう?
人権について、普段から意識している人は少ないと思います。「人権」とは、一体何なのでしょうか。一般に人権とは、人間が人間らしく生きるために、生まれながらに持っている権利であり、また、個人の「人格的生存」に必要不可欠な権利であると考えられています。
人格的生存とは、簡単に説明すると「自分らしく生きる」ということです。例えば、はさみは物を切るためにあり、鉛筆は字を書くためにあります。それは、はさみや鉛筆がそれぞれの目的のためにつくられた道具だからです。では、人間は何のために生きているのでしょうか。自分のため、家族のため、社会のためと、目的は人によって違いがあります。なぜなら、人間は何かのためにつくられた道具ではないからです。
「自分らしく生きる」ためには、自由にものを考えたり、自由に表現したり、好きな職業に就いたりすることが必要であり、それができなければ、自分で自分の人生を切り開くことはできません。また、自由にものを考えたり、好きな職業に就いたりするためには、教育を受ける必要があり、何よりも、最低限の衣食住が満たされていなければなりません。このように、自分で自分の生き方を決定し、自分らしく生きていくためには、一定の条件を備えることが不可欠です。この一定の条件を保障するものが「人権」です。
また、すべての人が等しく持つ具体的な人権について、昭和23年、世界人権宣言により歴史上はじめて30の条文で明文化されました。
この宣言は今年、国際連合総会で採択されてから60年の節目を迎えました。区では、人権について一層理解していただくため、世界人権宣言60周年記念事業を実施する予定です。
この機会に人権について、もう一度考えてみませんか。
お問い合わせ
このページはすみだ人権同和・男女共同参画事務所が担当しています。