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更新日:2025年11月10日
墨田区のお知らせ「すみだ」に掲載された人権コラムを掲載しています。
人権コラム
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2025年9月11日
高齢者の人権を考える「ともに支え合う社会をめざして」
皆さんは、高齢者の人権について考えたことがありますか?高齢者も尊厳を持った1人の人間として尊重すべきですが、年齢による差別や偏見、虐待などの事例が後を絶ちません。
例えば、意欲があるのに年齢だけを理由に就職できなかったり、地域活動への参加が制限されたりすることは、人権の観点から問題があります。また、本人の意思を無視して財産を管理したり、医療や介護の場面で本人の希望を聞かずに決めたりすることも、自己決定権の侵害につながります。
高齢者の人権を守ることは、ただ介護や福祉サービスを提供するだけでなく、意思や希望を尊重し、社会の一員として活躍できる機会を保障することです。「高齢者だから」と、ひとくくりにせず、個性や能力を認め、尊重することから始めましょう。虐待や詐欺などから高齢者を守るには、地域全体で見守り、支え合う体制づくりが重要です。「おかしい」と感じたら、ためらわずに相談窓口に連絡することも、人権を守る行動の一つです。
誰もが年を重ね、高齢者になります。高齢者の人権尊重は、私たちの未来を守ることにもつながります。今日から、身近な高齢者との関わり方を見直しませんか?それが、年齢に関係なく全ての人が尊厳を持って暮らせる社会への第一歩になります。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2025年6月11日
子どもの大切な権利を守る「墨田区こども条例」が施行されました
区では、子どもの大切な権利を守るとともに、子どもの権利等に関する考え方を区全体で共有することで、地域社会全体で子どもの健やかな成長を支えていくため、4月1日に「墨田区こども条例」を新たに施行しました。
全ての子どもは、1人の人間として大切にされるかけがえのない存在です。子どもは、どのような理由でも差別されず、地域社会全体で守られ、愛されながら、安心してほかの人々とともに生き、夢や希望を持って成長していくことを大切にされなければなりません。また、年齢や発達に応じた教育を受ける権利や、自分に直接関係があること(学校や職業の選択等)はもちろん、それ以外のことも自由に意見を表明し、その意見が尊重され、失敗しても何度でもチャレンジできることや、多様な社会活動(ボランティア活動等)に参加する権利があります。
そして、大人は子どもの権利を尊重し、子どもの声を聴き、子どもの人生にとって最も善いことは何かを考え、子どもの育ちを支えていく必要があります。子どもの大切な権利を守るために私たちに何ができるか、改めて考えてみましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2025年2月1日
犯罪被害者とその家族への理解と配慮を
多くの方は、自分が犯罪被害に遭うことは考えてもいないのではないでしょうか?
犯罪被害者とその家族は、生命を奪われる、怪我を負わされる、財産を失うなどの直接的な被害を受け、それまでの日常が一変してしまいます。それだけでなく、事件後に生じる様々な問題による二次的被害にも苦しめられます。具体的には、被害に遭ったことによる身体の不調、慣れない捜査や裁判に関わることによる精神的・時間的な負担、周囲の心ないうわさや中傷、マスメディアの取材や過剰な報道によるプライバシーの侵害などです。
被害に遭ったことによる精神的苦痛から休職や失職に追い込まれたり、生計者を失ったりすることになれば、収入が減り、生活再建に大きな不安を抱えることになります。さらに、犯罪被害者とその家族の傷ついた心には、周囲の人の慰めや励ましのつもりの言葉や行為も、逆に傷つけてしまうことさえあります。そして、残念ながら誰もが犯罪被害に遭ってしまう可能性があるのです。
犯罪被害者とその家族は、地域社会で配慮され、支えられてこそ、平穏な生活を取り戻せるようになります。犯罪被害者とその家族の置かれている状況や気持ちを理解し、支援することが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2024年8月21日
「無意識の思い込み」に気付いていますか
「家事や育児が得意」「職業は警察官」と聞いて、それぞれどのような人物像を思い浮かべますか。家事や育児が得意なのは女性で、警察官なら男性を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。このように、性別等による固定的な役割を思い浮かべることを、無意識の思い込み「アンコンシャス・バイアス」といいます。
私たちは無意識のうちに思い込みや偏見をもってしまうことがあります。これは、過去の経験や周囲の環境から影響を受け形成されていくものなので、これ自体が悪いということではありません。ただし、「アンコンシャス・バイアス」に気付かずにいると、知らない間に相手を傷つけてしまったり、自身の可能性を狭めてしまったりすることがあります。
例えば、子どもが保育士やサッカー選手になりたいと言っているのを聞いたら、つい女性らしい職業、男性らしい職業と考えてしまうことはありませんか。親や周囲の大人から性別を理由とした意見を言われた経験がある子どもは、自身の思ったことを言えない傾向があることが分かっています。子どもがなりたい職業を諦めたり、考えを変えたりしなければならないことは防ぎたいものです。
まずは、「アンコンシャス・バイアス」は誰でももっているということを意識し、自覚することから始めてみませんか。そして、多様な性を包摂する男女共同参画社会の実現をめざしましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2024年6月1日
人権を尊重する共生社会の実現に向けて
「誰かのことじゃない。」このキャッチコピーをご存じですか?これは、法務省の人権擁護機関が、今年度の啓発活動重点目標として定めたものです。
「人権」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、生まれながらに持っている、自分らしく幸せに生きるための権利であり、誰にとっても身近なものであるはずです。
私たちは、家庭、地域、職場、学校など様々な場所で、多くの人と関わりながら生きています。国籍、性別、出身、思考、年齢、感受性など、共通している部分もあれば、そうでないところもあり、多様な個性をもった人々により社会は築かれています。
しかし、社会には人権課題が依然としてあり、子どもや高齢者等への虐待、性的マイノリティや障害のある方に対する差別・偏見、外国人へのヘイトスピーチ、インターネット上での差別的な投稿など、基本的人権が侵害される様々な問題が起きています。これらは決して、自分以外の「誰かのこと」ではありません。誰もが人権問題を自分や身近な人の問題として捉え、お互いの個性を尊重し、違いを理解し、認め合うことが重要です。
思いやりの心であふれた、人権を尊重する共生社会の実現を、ともにめざしていきましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2024年2月1日
様々な病気への理解を深め、差別や偏見をなくしましょう
新型コロナウイルス感染症が流行し始めた頃は、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識がないために、感染者や医療従事者、その家族等への 誹謗中傷が問題となりました。さらに、感染症に関する誤った情報によって、不安があおられる事態が発生し、私たちの暮らしに大きな影響を及ぼしました。
病気に関する不確かな情報や誤解から生まれた差別の1つに、ハンセン病があります。ハンセン病は、らい菌による感染症ですが、感染力は弱く、現在の医療では治癒できる病気です。しかし、かつては治らない病として考えられ、法律によって患者は療養所に強制的に隔離され、本人とその家族は差別と偏見に苦しみました。今では法律等により患者等の名誉は回復されていますが、差別が完全になくなったとは言えません。
様々な病気に対する差別や偏見をなくすためには、周囲の人が正しい知識を持ち、理解を深めることで、患者やその家族の人権に配慮することが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2023年9月1日
災害時の人権について考えてみましょう
本日で関東大震災から100年を迎えました。平成23年3月11日に発生した東日本大震災をはじめ、毎年のように日本各地で地震や大雨による水害などの災害が起きていますが、それに伴う様々な人権課題もあります。
甚大な被害をもたらす災害時には、家を失うなどして多くの人たちが長期にわたり避難所生活を余儀なくされます。避難所等では、避難者のプライバシーの確保のほか、高齢者、妊産婦等の要支援者への配慮が求められます。
また、東日本大震災のときには、地震と津波に伴い発生した福島第一原子力発電所の事故で、避難した人たちに対し、風評による嫌がらせも起きました。このことから、災害の混乱に乗じてSNSなどで拡散される根拠のない情報、デマ、うわさ話に惑わされない冷静な判断も必要です。
災害は多くの人命を危険にさらし、被災者の生活を奪います。こうしたときこそ、一人ひとりが被災した人たちの状況を理解し、思いやりや優しさを忘れずに人権に配慮しながら支援していくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2023年6月1日
誰もが暮らしやすい多文化共生社会を実現するために
今年は4年振りに隅田川花火大会が開催されるなど、コロナ禍からの復活の年として、観光や仕事で国内外から多くの方が訪れる機会が増えています。また、区の人口は28万人を超え、そのうち外国人は4月1日現在約1万4,000人を占めており、区民の約20人に1人が外国人となっています。
このように、様々な国から人が集まり国際化が進む現在では、同じ地域に暮らす住民として安心して暮らせる共生社会づくりに向け、お互いの人権を尊重することが必要です。
しかし、外国人であることを理由とする就職上の不当な取扱いや、賃貸住宅への入居拒否、さらには特定の民族や国籍の人々を排斥しようとする街頭活動やインターネット上の書き込み、いわゆるヘイトスピーチが社会問題になっています。
国籍や文化の違いにかかわらず、お互いの人権を尊重し支え合う共生社会を実現するために、私たち一人ひとりがそれぞれの文化や生活習慣の違いを認め合い、多様性を受け入れていくことが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2023年2月11日
子どもの権利を守りましょう。
子どもの権利を守るための包括的な法律として、こども基本法(4月1日施行)が昨年6月15日に成立しました。この背景には、児童虐待の相談や不登校の件数が過去最多を更新しているなどの、子どもを取り巻く状況の深刻さがあります。
こども基本法は、国際条約である児童の権利に関する条約(平成6年批准)に対応し、条約の4原則「差別の禁止」「生命・生存および発達に対する権利」「児童の意見の尊重」「児童の最善の利益」を踏まえた内容が基本理念に規定されています。
子どもには、どのような理由でも差別されず、命が守られ、成長を支えられる権利があります。また、年齢や発達に応じて、自分に直接関係があること(学校や職業の選択等)はもちろん、それ以外のことも自由に意見を言う権利や、多様な社会活動(ボランティア活動等)に参加する権利もあります。また、大人は子どもの権利を尊重し、子どもの人生にとって最も善いことは何かを考え、実践していく必要があります。
私たちが子どもの権利を守るために何ができるか、改めて考えてみましょう。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2022年9月1日
多様な性のあり方について考えてみませんか
私たちの「性のあり方」は様々な要素から成る多様なものです。要素には、からだの性(生物学的特徴等による性別)、性的指向(恋愛・性愛感情の対象による概念)、性自認(自分で認識する性別)、性別表現(言葉づかい、服装、しぐさ等による社会的な性別)などがあります。
性のあり方は、生き方そのものであり、個人の尊厳として尊重されるべき大切なものです。
しかし、「男(女)は、こうあるべき」「異性を好きになるのが普通」といった意識等の影響で、生きづらさを感じている人がいます。中には偏見や差別を恐れ、誰かに打ち明けたり相談したりすることが難しい人もいます。
お互いの性のあり方を尊重し、誰もが生きやすい社会にするためには、社会の仕組みや性の多様性を知り、一人ひとりが自分の性的指向や性自認を自分のこととして考えてみることが大切です。
すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」)2022年6月1日
人権を尊重し多様性を認め合う平和な社会に向けて
区では、人権啓発基本計画を策定し、人権に関する啓発を行っています。この度、令和4(2022)年度~13(2031)年度の計画改定を行いました。
誰もが住みやすい環境づくりには、お互いの生活習慣、文化、価値等の違いを認め合い、多様性を尊重することが大切です。
しかし、依然として女性・子ども・高齢者・障害者への差別や偏見、部落差別(同和問題)等、様々な人権課題が存在しています。
また、近年では、インターネット上の人権侵害や様々なハラスメント、ヘイトスピーチ、性的指向および性自認を理由とする差別や偏見、災害時における人権侵害、新型コロナウイルス感染症に関する様々な差別や偏見など、社会・経済状況の変化等により人権問題も多様化、複雑化しています。
人権を尊重し多様性を認め合う平和な社会の実現には、自分の人権と同時に他人の人権も尊重することが必要ですが、ときに様々な権利が対立することも考えられます。このようなときに重要になるのが、相手の立場に立って考え、感じることです。どちらか一方、あるいは誰かが我慢したり譲ったりするのではなく、まずは相手の立場に立って考えることから始めましょう。そして、人権が尊重され、多様性が認められ、社会的に孤立することなく人とのつながりを持つことができる社会の実現をめざしていきましょう。
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このページはすみだ人権同和・男女共同参画事務所が担当しています。
