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Archileon(アーキレオン) ~これまでにない建築の実現に向けて~

ページID:382966118

更新日:2019年9月20日

取材日:2019年9月4日

担当者:産業振興課 大島

Archileon(アーキレオン)(墨田区立花5-9-5 テクネットすみだ2階)

 墨田区の工場アパート「テクネットすみだ」の一部を区が借り受けて、ベンチャー企業などが実験や作業をするラボスペースとしてご利用いただいています。
 今回は、その入居者である東京大学の学内ベンチャー「Archileon(アーキレオン)」の開発担当・平山雄太さんにお話を伺いました。


平山雄太さん


「テクネットすみだ」の外観

Q.どんな製品を開発していますか。

A.今までにない建築資材を製作できる3Dプリンティング・システムを開発しています。
 建築用の3Dプリンターは大成建設なども開発していて、主流は、コンクリートをノズルから押し出して積み重ねていくことで建物の壁などを一体成形するものです。それも開発したいと考えていますが、今取り組んでいるのは施工現場に持ち込む建築資材を製作するためのシステムです。
 私たちの特徴は、コンクリートとは全く異なる材料を使うことです。建物全体を一体成形するのではなく、建物の型枠や被膜として使うことを考えています。コンクリートは固まるまで時間がかかって積層がうまくできなかったり、材料の自重でヒビが入ったりしてしまうことがありますが、私たちが使う材料にはそんな問題はありません。
 これまで人の手で作れなかったデザインの建築を実現するのが、私たちの夢です。直線が中心となる従来の建物にはないような、複雑なカーブなどの形状も作れるようになります。


これまでにない建築の完成予想図

Q.開発に取り組んだきっかけは何ですか。

A.実は、私は機械が専門じゃなくて建築学科の出身です。建物のデザインをする建築家に進むイメージがありますが、私は町中の建築物の多くのデザインはもっと面白くなれるポテンシャルがあると感じていました。一つの建物のデザインを高めることよりも、より多くの建築のデザインに変化をもたらすことに携わることができればと思い、大学院に進む時に構法(建て方)の研究を選びました。
 その後、スペインで3Dプリンターによる建築に出会って、それが面白くて帰国後に自分で自走式3Dプリンティング・ロボットを開発したのがきっかけです。さらにこのロボットが東京大学を代表して米国テキサスのSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)に出展することができたのを機に、大学や国の支援を受けられるようになって本格的な開発を始めました。
 「Archileon(アーキレオン)」という名前は、建築を意味する「Architecture(アーキテクチャー)」の「アーキ」と、スペインのサグラダ・ファミリアで有名な建築家ガウディが好きだったカメレオンの「レオン」を組み合わせて名づけています。


米国テキサスのSXSWに出展したロボット

Q.今後の展望を教えてください。

A.材料を吐き出すロボットの機械や電気回路の問題はほぼクリアしていて、今の課題は材料の配合と制御ソフトの作成です。ロボットの動作実験を、ここテクネットすみだビル内で9月末に行う予定です。来年3月末までには実験的に建物を建てたいと考えています。うれしいことに、複数の企業(インフラ、ホテル、鉄道など)から一緒にやれないかと、すでに声をかけてもらっています。本格的な建物を手がけるとなると学内ベンチャーのままでは不都合なので、その時には起業するつもりです。
 今後、開発を進めていく中で区内企業の協力も得られたらと考えています。テクネットに入居することになったのも、区内でベンチャー支援を手がけている浜野製作所に相談したのがきっかけです。せっかくの縁ですから、私たちが最初に手がける建物は、墨田区内に建てたいと思っています。


動作実験に向けて準備中の機材

 建築が専門でありながら、専門外のロボットや材料の開発まで手がけてしまう平山さんの熱意と能力には、ただただ脱帽です。この開発が建築業界に革命をもたらし、さらにその刺激を受けてテクネットの入居企業をはじめ区内企業も元気になってくれることを願っています。アーキレオンが手がける建物の第1号、是非、区内に建ててほしいものです。
 平山さん、ありがとうございました。

Archileon(アーキレオン)

所在地:墨田区立花5-9-5 テクネットすみだ2階
事業内容:建築施工用の3Dプリンティング・システムの製作

ベンチャー用ラボスペース その他の入居者

totokoko(トゥートゥーコッコ)
事業内容:豚革のバッグ・小物の製造・卸・販売

※ 今後、ベンチャー用ラボスペースの使用者を追加募集の予定です。
 詳細はお問い合わせください。

問合せ先

産業振興課
電話:03-5608-1437

お問い合わせ

このページは産業振興課が担当しています。

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