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更新日:2019年5月10日
取材日:2019年4月22日
担当者:観光課 矢田
MERIKOTI 両国北斎通り店(墨田区亀沢1-12-10平井ビル1階)
北斎通りを歩いているとひときわおしゃれな外観が目を引くお店、MERIKOTI。
中はどんな様子なのか、何が売られているのか、どんなコンセプトなのか・・・
代表の小高さんから聞いた話をもとに、紹介したい。
ひときわ目を惹くおしゃれな外観
MERIKOTI(メリコティ)とは
ニットで編み上げた布ぞうり「MERI」や指割れ靴下「TUTUMU」などを販売する直営店舗。その店名は、“メリヤス”の「MERI」と北欧の言葉で“ふるさと”をあらわす「KOTI」に由来している。「メリヤスのふるさと」―――すなわち、メリヤス産業が盛んな「すみだ」そのものを体現しているようなお店だ。
テーマは「北欧」で、売られる商品をはじめ、外観・内装も非常におしゃれ。すみだが誇るメリヤス産業に気軽に接することができるお店となっている。
店内の様子
このお店ができたきっかけというのは、もともとメリヤス工場のご子息であった代表の小高さんのメリヤス産業に対しての発想転換がある。ファッションの製造現場が日本から海外へどんどんうつっていく中で、メリヤス産業において「BtoB」(対企業)で行うことへの限界を感じた小高さんは、「BtoC」(対消費者)で消費者に直接販売できるような会社を作るべく、オレンジトーキョー株式会社を設立した。そこで、メリヤスと相性が良い商品を探す中で布ぞうりと出会い、今に至る。
布ぞうり「MERI」(画像提供:MERIKOTI)
職人技とデザイン性の融合
小高さんが家業で培ったメリヤス編みの技術力を原料の紐(メリヤスで編まれた)に転化し、それを職人の技術力で布ぞうりに仕立て上げる。さらに、トレンドも取り入れて“ぞうり”という古いイメージを抱きがちな履物を、いまの時流にあわせてアレンジしている。その性能は素晴らしく、メリヤスなので柔らかく、洗濯できるうえに、通気性も良いため「夏は涼しく、冬は暖かい」というルームシューズとして使用されている。
原料の紐をつくる機械
小高さんいわく、「需要があっても供給側を整えることが大変」とのこと。なにせ、1足編むのに3時間ほどかかるそうで、ソール(土台部分)を編む職人・鼻緒の作る職人・それらを組み立てる職人、とそれぞれの職人の技が結集されて作り出されるという大変な労力がかかっている。
「誰も真似をしたくないような商品を作っている」と小高さんはおっしゃられたが、この技術力こそが唯一無二のオリジナリティにつながり、商品への信頼を生んでいる。
若者・外国人の人気も高い
2012年に布ぞうり「MERI」を販売開始し、2014年9月に直営店である「MERIKOTI」をOPENしたが、販売当初から外国人からの人気が高かったという。
ワークショップの様子
職人の指導のもと、3時間のワークショップで1足作り上げる
取材当日も、ワークショップに海外観光客が参加していた。このワークショップは、布ぞうりを実際に編むことができるというもので月に4回開催されている。店に足を運ぶ外国人の多くは、WEBサイトやインスタグラムを見て興味を持ち来店しているという。この海外需要に応えるべく、外国人スタッフもおり、積極的に海外に向けても情報を発信しているそうだ。
また、商品のデザイン性からも伝わるが若者への人気が高く、女性グループやカップルなどでワークショップに参加する方も多いという。ワークショップは、先のスケジュールも埋まっているほどの人気ぶりだ。
すみだが誇る産業を、未来へつなげる
小高さんは、「メリヤスという言葉がもはや消えてきていて、すみだが産地ということも知られなくなってしまっている」と話していた。
しかし、今でも根強く残る技術力がある。MERIKOTIのような、すみだが誇る技術力を一般消費者へも認知させることに成功している企業が増えていけば、より活気あるまちになっていくと感じた。
代表の小高さん
すみだが誇る技術力を気軽に感じることができるMERIKOTI、是非みなさまにも足を運んでいただきたい。
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