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株式会社ネモファー ~若手が引き継ぐ毛皮への想い~

ページID:995115655

更新日:2019年9月3日

取材日:2019年8月23日

担当者:跡見学園女子大学 酒井、豊島

株式会社ネモファー(墨田区押上3-15-6)

今回の記事は、墨田区産業観光部でインターン中の跡見学園女子大学・酒井さん、豊島さんが取材・作成しました。

一つ一つ想いを込めて作る毛皮職人

株式会社ネモファーさんは、ミンクやチンチラなどの多種多様な毛皮を扱いお客様の注文に合わせてすべて手作業で1つずつ丁寧に商品をつくっています。今回、工房で根本さんにお話を伺いました。
お店の前で優しい笑顔の根本さんが迎えてくださり、穏やかに取材が始まりました。最初に工房に入って目についた光景は、壁にぎっしりと掛けてある様々な動物たちの毛皮でした。その量に圧倒されました。

根本さんの手によって作り出される作品

私たちの前でイタチの仲間であるミンクを使用し実際にボンボンを作っていただきました。材料である毛皮は、はじめ一枚皮になっており皮を水につけ、板に1枚1枚張り付けます。皮は水につけると伸びる性質があり、外に天日干しして乾かしていきます。伸びた毛皮に型紙をあてそれに沿ってペンで印をつけ、特殊なナイフで裁断を行います。ロックミシンで毛皮同士を縫製し、綿をつめてまつり縫いで縫い完成です。ここまでの作業はすべて手作業で行います。

ここで毛皮の縫製で使用する特殊な道具を紹介します。
1つ目はドイツ製のロックミシンです。私たちが使う平ミシンは布が奥に進んでいき縫い代は1cm~2cmです。ロックミシンは布を右に動かしていきます。毛皮を縫うことに特化したミシンであり厚いものが縫えません。縫い代は0mm~3mmとなっておりとても短いです。縫ったところを広げ潰していくことで縫い代は0mmにすることができ、もし縫い間違いをしたとしても平ミシンとは違いすぐにほどくことができます。
2つ目は特殊なナイフです。普通のカッターと特殊なナイフで実際に皮を切ってみました。普通のカッターでは皮に刃が通らず、線を付けることもできませんでした。しかし特殊なナイフで切ってみるとスっと簡単に切れました。ナイフの刃は昔、自分たちで研いでいたそうです。現在では持ち手と刃に分かれており、刃だけを取替えられるようになりました。しかし、消耗が激しく高価で取り扱いのお店も少ないそうです。

私たちのロックミシン体験記

私たちも実際にロックミシンを体験させて頂きました。ロックミシンは足でペダルを踏んで縫います。ゆっくり踏み込んでも針の速さは予測不可能でとても怖くロックミシンを扱うのは職人技だと感じました。手でバランスをとることで2回目は少しうまく縫うことが出来ました。


やはり難しかったです(豊島)

この道に進んだきっかけと現在の毛皮加工の現状

根本さんはもともと、違う仕事をしており25歳の時に辞めました。そして家業であるネモファーに就職しました。業界が狭くこれからの経営を考えた結果、はじめ継ぐ気はあまりありませんでした。しかし仕事をやっていくうちに“人ができないことをやってみたい”という気持ちが強くなり職人への道へ進み始めました。
現在日本での毛皮加工業は少なく、ほとんどが中国での海外生産になっています。職人の高齢化は進み後継者問題は大きな課題となっています。現在、根本さんは39歳、職人の中で1番若く活躍しています。


毛皮の説明をする根本さん

毛皮にかける想い

毛皮には他の生地にはない華やかさがあり、たとえ商品になってしまっても生き続けています。商品の制作にあたり手を抜かない、糸一本残さないなど基本的なことだけどそれを大切にしています。お客様には見えないからこそきれいに丁寧につくることをモットーにし、こだわりが強くまさに職人の情熱を取材で感じることが出来ました。

根本さん、お忙しいところ、ご対応いただき、ありがとうございました。


毛皮にかける想いを伝える根本さん

取材先情報

株式会社ネモファー

〒131-0045 東京都墨田区押上3-15-6
ホームページ:外部サイトへリンク 新規ウインドウで開きます。https://www.nemofur.com(外部サイト)

お問い合わせ

このページは産業振興課が担当しています。

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