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更新日:2020年2月7日
取材日:2020年1月31日
担当者:観光課 佐々木
小宮畳店
オリンピックボクシング会場になる国技館と同じ横網町会にある小宮畳店。創業は大正13年。小宮太郎さんは畳店の三代目としてご活躍されています。昨年11月に行われた大嘗祭の儀式のために、畳を納められたとのお話を小耳にはさみ、取材させていただきました。
左が加藤さん、右が小宮さん
家業の継承が親孝行にもなるという価値観でした。
資格はなくても畳屋としてやっている方はたくさんいます。畳工二級技能士、一級技能士が有ります。私は2級しか持っていません。
東京都畳工業協同組合の本所支部10名向島支部7名で毎年減り続けています。
昔と違って、一般住宅の仕事は減ってきました。今はお寺や児童館、地域コミュニティーなどの比率が多くなりました。高齢化した同業者からの依頼をいただくこともあります。
年に10件程度あります。伝統工芸保存会の方からのご縁で、先日は、渋谷にお住いのフランス人の方のお宅を担当しました。オールフローリングの部屋の一部に畳を入れたいとのことで、ご協力させていただきました。帰国される際は、持って帰りたいと言われています。
伝統工芸保存会の皆さまとは、さまざまなご縁で、繋がっています。例えば、人形の台座などのお仕事をいただいたり、お客様をご紹介いただいたり、ありがたい存在です。
マンションなど、管理が厳しいところは出入りの手続き、車の駐車が煩わしく、しかも、畳の敷き込みなどで発生する騒音にも気を遣うことが多くなりました。家具が多く、配線が入り組んだオーディオ機器やパソコンのケーブル動かすのに苦労することもあります。また、日にちが立つと日焼けすることや、畳表の織しわを変色と勘違いするなど、畳に関する知識がないために、何かとクレームを言われる方が多くなってきました。
同年代の友人たちとの収入の格差など不満はありましたが、求められて畳を製作し納め、お客様に喜んで頂くという充実感はあります。祖父が千葉の大網から出てきて、いろいろな職業に就き、最後にたどり着いたのが畳屋です。高い志があったわけではなくそこで実直に腕を磨き、多くのご縁を得て父から私に繋がってきたわけです。ほぼ35年前に宮内庁の仕事を請け負うようになったのもご縁で、一朝一夕ではありません。私はご縁を大切にするのは勿論、かかわりを持った方々に畳を通して貢献できるように、畳技法の奥深さの探求もさることながら、現代でも求められる製品を提供できるよう願っています。
前回の大嘗祭の畳を納めているという実績がかわれ、今回もご依頼いただけたのだと思います。春頃から作り始めました。物品が入手できるかどうかの調査や価格についても調べて準備しておりました。
大嘗祭の儀式で使われる「神座」と呼ばれる通常よりも厚みのある畳などを、大嘗宮(儀式の行われる部屋)で使うために納めました。大嘗祭が終わった後、一部は賢所の祭りごとに使われるものもあります。納品は、大嘗宮ではなく別の場所でした。そこから儀式の部屋への納品は、宮内庁の職員の方が行われたのだと思います。
畳を敷き詰めるイメージでいらっしゃるかもしれませんが、実際には、通常の畳ではなく、いろいろな寸法の畳や御座などをつくり、トータルで100点以上のものを納品しました。
イ草だけではなく、いろいろな材料を揃えなければ納められないため、少し苦労しました。
平成2年の大嘗祭では、新聞にも掲載されたので、問い合わせはありましたたが、仕事は特段増えた訳ではありませんでした。
昔は認定制度があったようですが、今は一度でも宮内庁の仕事の実績があれば、名乗って良いようです。
環境に最も優しく、安いリフォーム。イ草の香りが癒し効果をもたらします。畳の部屋は子育てに安心安全畳の上での生活は衛生的で健康な生活に効果があります。
さまざまな機会をとらえ、畳のある生活が改めて見直されるような活動を進めていきます。また、事業継承していく、甥の加藤がこれからも皆様にご愛顧いただけるよう道筋をつけていきたいです。
小宮さんが今チャレンジ中の「いごも」です。
現在、小宮さんたちは、畳(イ草)だけではなく、稲を使った「いごも」や、藁を使った「わらごも」づくりにもチャレンジされているそうです。残していきたい日本文化の1つである畳、益々のご活躍を期待しております。
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